超強硬派ボルトン登場 どうなる「予防攻撃」
Japan In-depth / 2018年4月3日 17時27分
中朝、南北、米朝首脳会談につき、日本では「東京は蚊帳の外」で「外されている」などの自虐的評論が多い。だが、米国では既にボルトン式「予防攻撃」の功罪が議論されていることの方が気になる。北朝鮮の核施設などに対する予防攻撃が吉と出るか、凶と出るか、凶ならばどの程度の損害まで耐えられるかといった恐ろしい議論だ。
推進派は、攻撃を受けた北朝鮮は反撃できず、事実上核開発を中断する、その後の交渉では、核開発の断念を含む、米国に有利な形での解決も可能、と主張する。これに対し反対派は、予防攻撃は必ず北朝鮮側の報復を招き、第二次朝鮮戦争が始まって、朝鮮半島は壊滅的打撃を受けると反論する。
もう一つ、日本であまり議論されないのがイランとの関係だ。ボルトン氏は中途半端だとしてイラン核合意にも反対しているが、このまま米朝首脳会談が開かれ「中途半端な」合意が結ばれたら、ボルトン氏はどう説明するのか。詰めていけば、イランも、北朝鮮と同様、武力行使による「体制変更」しかないとの結論に至る恐れすらある。
〇欧州・ロシア
4日からロシア国防省主催の第7回国際安全保障会議に参加する。中東、欧州、アジアの安全保障状況を議論するらしいが、どうなることやら。かなり大規模な会議らしく、筆者自身どの程度発言できるか分からない。しかし、ロシアの考え方を理解する上では良い機会だと割り切ることにした。議論の内容は来週ご報告する。
7-12日、オーストリアの大統領と首相が揃って訪中する。中国にとっては利用し甲斐のある国だから、大歓迎するのだろう。国内政治日程も、国会も気にする必要のない中国だからこそできる外交だ。これに対し、日本では首相が国会に張り付き、集中質疑を受けなければならない。日本に大国の外交ができない理由の一つがこれだ。
写真)オーストリア首相 セバスチャン・クルツ氏
出典)オーストリア政府
写真)オーストリア連邦大統領 アレクサンダー・ファン・デア・ベレン氏
出典)パブリックドメイン
〇東アジア・大洋州
金正恩の電撃訪中については「いずれ行われると思ったが、少し早まった」と考える。中国側発表で、習近平が今回の訪中を「戦略的な選択」「唯一の正確な選択」と表現し、金正恩も朝鮮の「戦略的選択」と応じていたのが印象的だった。要するに北朝鮮は中国に依存するしかない、これ以外の戦略的選択はないと中国は言っているのだ。
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