仏国鉄スト、政府改革案に抗議
Japan In-depth / 2018年4月8日 9時28分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・4月仏全土、SNCF(仏国鉄)の職員らによる大規模ストに突入。
・SNCF改革は歴代フランス政府にとって最も難しい案件。
・SNCF以外の移動手段である格安長距離バスやカーシェアリングなどが台頭。
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4月に入り、フランス全土は、SNCF(フランスの国鉄)の職員らによる大規模ストに突入しました。
政府は、SNCFが450億ユーロ(約5兆9000億円)の負債を抱えており、公的資金の投入も毎年増え続け、現在では10年前より22%も増加している現状を打開するためにも改革の必要性を訴えています。
これに対して組合は、マクロン大統領が掲げるSNCFへの競争導入などを含む政府の雇用改革案に反発を強め、4月から3カ月間、5日ごとに2日間のストを6月末まで18回続ける予定を打ち出しました。
▲写真 仏マクロン大統領 出典 Flickr thierryleclercq
最初のストは現地時間の2日午後7時から始まり5日午前8時まで行われ、ストの影響で3日は高速鉄道の約87%、普通列車は80%が運休となりました。
政府が掲げる改革の中で最大の争点となるのが、シュミノーと呼ばれる「鉄道員」の資格の改定です。実は、公務員とも違うこの鉄道員たちの権利は一般の労働法で管理されていません。
その違いを例にあげれば、普通の会社には会社経営の悪化によるリストラがありますが、SNCFは終身雇用。通常のフランスの定年は62歳からですが、車掌、駅員は50歳から可能。
民間企業は約25日程度の有給ですが、SNCF職員は28日。また、特権として運賃の割引が本人及び家族にも適用され、毎年約100万人が利用していており、その割引額は年間約1億ユーロ(約131億円:2018年4月7日レートによる)に上ると言われています。
なぜ、「鉄道員」のみがこのような特別な労働法が設定されているのでしょうか?それはこの労働法が設定された当時は、鉄道には石炭が使用されており、石炭の煙により肺を悪くし健康を害するなどの鉄道員の健康に配慮されていたからです。しかし、もちろんながら現在では石炭で電車は走っておらず当時の状況とはかなり変わってきています。
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