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強制不妊の犠牲者を救済する ワセダクロニクル

Japan In-depth / 2018年4月11日 9時33分

強制不妊の犠牲者を救済する ワセダクロニクル

Japan In-depth 編集部(大川聖、駒ヶ嶺明日美)

【まとめ】

・差別の土壌はマイノリティを認めない世間の雰囲気。

・マイノリティイシュー同士が共感して連帯していくことが大事。

・強制不妊問題は人類共通の問題。犠牲者を救済していく。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのhttp://japan-indepth.jp/?p=39406でお読み下さい。】

 

調査報道ウェブメディアのワセダクロニクルとクラウドファンディングプラットフォーム『Motion Gallery』の共同企画で、4月5日都内で開催されトークイベント。ワセダクロニクルは独立・非営利のジャーナリズムNGOで、今年2月からはシリーズ「強制不妊」の調査報道に力を入れている。

 

■ 「強制不妊」問題を取材し始めたきっかけ

「旧優生保護法」(1948~96年)のもと、知的障がいのある人など1万6000人以上が不妊手術を強制されていたこの問題。ワセダクロニクルリサーチャーで、強制不妊の取材チームの中心メンバーである加地紗弥香氏は、取材を始めた経緯について、「新聞社を入社2か月で辞めてワセダクロニクルに戻ってきた。去年の6月、被害を訴える当事者に会って、強制不妊手術の話を聞いた。彼女が1996年から被害を訴えていても、20年間政府もメディアも動かない。このタイミングで取材・検証をしなければ、彼女のことが無かったことになってしまうと思った。」と話した。

▲写真 ワセダクロニクル リサーチャー加地紗弥香氏 ©Japan In-depth編集部

 

■ マイノリティ排除の問題として捉える

今回のイベントには、アイデンティティは「男」でありながら体は「女」として生まれ、性別適合手術(性転換手術)を受けた経験を持つ杉山文野氏も登壇した。杉山氏は「幼心にも、人に言ってはいけないことなのではないか、と思っていた。成長するにつれて心と体はどんどん離れていき、自分は頭のおかしい人間なのだと思って罪悪感に苛まれた。なんとか世間体に合わせようとしたが、限界があり、性別適合手術を受けた。」と自身の経験を話した。

ワセダクロニクル編集長渡辺周氏は「優生”保護”とは言うものの、よく聞くと国が強いているため、『強制不妊』という言葉を使っている。性同一性障害の問題も、本人が『俺は女じゃない、男なんだ』と言っているのに、周りが見た目の性を強制している構造がある。国家権力の強制はもちろんだが、ベースには『マジョリティや大多数はこうなんだから、それと違うお前は変だ』と圧迫してくる世間の雰囲気があるのではないか。それが強制不妊を生み出す土壌であり、性的マイノリティの人達に対する圧迫感につながっていると思う。」と自身の考えを述べた。

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