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ザッカーバーグがぼやかす問題の本質 上

Japan In-depth / 2018年4月11日 13時0分

ザッカーバーグがぼやかす問題の本質 上

岩田太郎(在米ジャーナリスト)

「岩田太郎のアメリカどんつき通信」

【まとめ】

・ザッカーバーグフェイスブックCEO、米議会で証言。

・同社は2017年に約12億円の巨額ロビー活動費を投入している。

・情報と権力の非対称性という根源的な歪みは温存される。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=39421でお読みください。】

 

月間ユーザー数が21億人を超える世界最大の交流サイトであるフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が4月10日と11日に、米議会に呼ばれて証言する。この証言の見どころは何か。また、今回のフェイスブック騒動の本質は何か。探ってみよう。

 

■ 議会が規制をかけられないわけ

まずは、ザッカーバーグCEOが議会に呼ばれたいきさつをおさらいする。フェイスブックにおいては、ユーザーほぼ全員の20億人分以上のデータが不正に流出した。ユーザーのデータ管理におけるセキュリティが十分でなかった疑いがある。

さらに、最大8700万人分の情報が2016年の米大統領選挙において心理操作の手法を用いてトランプ陣営に悪用され、フェイスブックのニュースフィードに大量に流れたフェイクニュースなどの影響を受けた多くの有権者がトランプ氏に投票して現政権が誕生したのではないかとの疑念がある。

▲写真 トランプ大統領 出典 Gage Skidmore

なぜ、ユーザーの行動を操れるほど完全で広範にわたる性向や嗜好の個人情報のデータセットをフェイスブックが持つに至ったのか、なぜそのような不正利用の可能性を提供するビジネスが許されるのか、という追及の声が日増しに大きくなっている。

これを受けて米議会で、「フェイスブックにはユーザーの個人情報管理の能力がなく、法律による規制が必要だ」との声が高まり、ザッカーバーグCEOが招致されたというわけだ。

これに対しザッカーバーグCEOは証言において、

①政府による規制を受けなくても、フェイスブックにはユーザーのデータを守る意思と能力がある

②すでにデータを不正利用する企業への情報提供は中断し、自主規制でユーザーの個人情報を守っている

③ユーザー自身が個人情報の使われ方を管理できるようにし、広告ターゲティングに使用されたくない場合は、広告抜きのサービスを有料で提供する

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