パリ、シェア自転車の憂鬱
Japan In-depth / 2018年4月30日 23時0分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・パリは2007年から「Vélib’(ヴェリブ)」というシェア自転車を提供してきた。
・2018年から電気自転車の導入を検討するも、工事が大幅に遅れている。
・SNCF(フランス国鉄)のストも続く中、シェア自転車もトラブル続きでパリ市民は怒り心頭。
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フランスのパリ市は2007年から「Vélib’(ヴェリブ)」と呼ばれるシェア自転車を提供してきましたが、より発展したサービスにするために2018年から電気自転車も導入したサービスのニューアルを施行。しかしながら現時点ではこの計画は「完全なる大失敗」と市民から酷評を浴びています。また4月に入り運営会社社員によるストがはじまり、状況はさらに悪化。現在、迅速な問題解決に向けて努力が続けられているところ。
パリでシェア自転車を運営することは、近年パリを悩ましている公害を減らすことも可能であり、その他にも観光客の足の確保、スト時の移動方法にも活用できるなど、多くのメリットがあります。しかし運営にはさまざまな問題もあり、解決するために工夫や対策は必須です。最初の年には自転車は6000台が破壊されました。2017年10月からパリでサービスを始めていた香港の「ゴービー・バイク」が、4カ月間で6割の自転車が破壊、窃盗、私用化され運営が困難な状況になったのも記憶に新しいところ。シェア自転車の運営には、より頑丈な自転車と盗難されにくいシステムの導入が不可欠でもあるのです。
▲写真 乱暴に扱われるシェア自転車 Clément C. twitter- https://twitter.com/ClemMTL/status/986138161356181504
そういった事情も踏まえ、公害対策を大きく推進してきたイダルゴ市長は2020年までにパリを自転車の首都にする一環として、問題を最小限にした上で多くの人が自転車でパリ市内を移動できるように、シェア自転車のリニューアルを計画。運営会社もモンペリエのSmovengo社に変え、より頑丈な自転車と、より優れたシステムを導入し、シェア自転車の規模拡大を目指し、自転車を止める駐車場を週60ステーションのペースで作ることを意気揚々と発表していました。が、しかし、まったくもって計画通りに進んでいないのです。
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