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木を見て森を見ぬイスラム論 イスラム脅威論の虚構 最終回

Japan In-depth / 2018年5月1日 9時55分

私の個人的な経験を言えば、スペイン語習得を志してマドリードの学校に通った時、サウジアラビアからの留学生が同じクラスにいて、「僕にはお母さんが3人、きょうだいは全部で11人いる」と聞かされた。

とどのつまり、一部の「現実」を見て全体を判断してはいけない、ということだ。当たり前ではないか、と言う無かれ。これがなかなか難しいのだ。

かつてわが国の出版界で「イギリス・ブーム」と呼ばれる現象が起きた。イギリスはこんなに素晴らしい、といった本が、軒並みベストセラーになったのである。しかし私は、そうした本の大半は、英国の階級社会の現実を無視して、総人口の中ではごく少数の、教養あるアッパー・ミドルクラスの言動を見て、イギリス(人)を褒めちぎっているに過ぎないと、実例を挙げて指摘した。『イギリス・シンドローム』というタイトルにて、電子版配信中なので、かの国に関心のある向きは、ご一読頂きたい。

▲写真 「イギリス・シンドローム」kindle版 著:林信吾 出典 Amazon

これ以上は、多くを語る必要もないことである。木を見て森を見ない「イギリス・ブーム」も、昨今の「イスラム脅威論」も、根はひとつなのだ。

トップ画像:イスラムの女性 出典 flickr :photo by Hani Amir

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