新イージス艦名「よしの」なら中国への配慮必要
Japan In-depth / 2018年5月3日 18時0分
そして「あかぎ」と釣り合いが取れる軍艦名は「よしの」しかない。「あまぎ」は験が良くない。「天城」は「赤城」とペアとなる艦名だが不運艦名である。二代目は建造中に関東大震災で被災処分、三代目は戦争末期に完成したあと特に海戦に参加せず内海で沈んだ。これは海自部外にも認識している。
▲写真 1946年8月 空襲により横転した状態の「天城」(アメリカ海軍により撮影されたカラー写真) 出典 U.S. Navy investigation board
また「あかぎ」と「あまぎ」では音も似すぎている。「しらね」と「しらせ」も似ていたが護衛艦と南極観測船と艦種は異なっていた。それでも間違いは多かった。その点で同型艦に「あかぎ」「あまぎ」は向かない。
その点でも「よしの」は都合がよい。活躍は述べたとおりである。黄海海戦での実質的な主役として武勲は肩を並べる。そしてペアとなる艦名がない点でも組み合わせでの都合もよい。
■ 対抗は「ひえい」と「はるな」
あるいは「ひえい」と「はるな」だ。「あかぎ」「よしの」の殊勲には及ばないものの太平洋戦争での活躍艦名の継承となる。
「比叡」は格別の地位を持つ。米艦隊との真剣勝負、水上砲戦で沈んだ軍艦だからだ。その点で他の戦艦や巡洋艦とは異なる。これら軍艦の本来の役割は水上戦だ。だが本格水上戦で四つで組んで戦い沈んだのは「比叡」と「霧島」(イージス艦で採用)しかない。
▲写真 1933年(昭和8年)大日本帝国海軍の巡洋戦艦「比叡」 出典 パブリックドメイン
▲写真 1942年3月1日 艦爆の攻撃で大破した駆逐艦エドサル、すでに艦尾より沈みだしている 「比叡」は「霧島」と共に大破したエドサルにとどめをさしている 出典 パブリックドメイン
なお、戦没そのものは不吉不祥とはならない。戦って沈んだ点はむしろ評価要素となる。その点で「陸奥」や「信濃」とは異なる。
また「はるな」も活躍した艦名で記憶される。太平洋戦争で実際に活躍した戦艦は比叡を含む金剛級であり「榛名」はその一隻だからだ。そして「こんごう」と「きりしま」は既にイージス艦に使用されている。もし「ひえい」が再利用されれば残りの1隻となる「はるな」も復活する。
▲写真 「こんごう」日本海軍が初の超弩級巡洋戦艦として発注した金剛型の1番艦 出典 パブリックドメイン
▲写真 海上自衛隊の護衛艦「きりしま」 こんごう型護衛艦の2番艦 出典 PH1 (NAC) JAMES G. MCCARTER
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