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新イージス艦名「よしの」なら中国への配慮必要

Japan In-depth / 2018年5月3日 18時0分

 

■ 「ふるたか」「きぬがさ」には周辺対策の利益

最後に挙げるのは「ふるたか」と「きぬがさ」だ。これは太平洋戦争に参加した山岳の巡洋艦名である。今使われていない7隻のうちの2隻だ。

▲写真 昭和16年11月「ふるたか」 大日本帝国海軍の古鷹型重巡洋艦1番艦 出典 パブリックドメイン

▲写真 日本海軍の青葉型重巡洋艦2番艦「きぬがさ」 1927年(昭和2年)9月に竣工 出典 パブリックドメイン

功績としては他の山岳巡洋艦名と大差はない。第1次ソロモン海戦で頭一つ抜けている「鳥海」(イージス艦で採用)を除けば功績では極端な差はない。

▲写真 昭和8年6月1日 日本海軍の重巡洋艦、 高雄型重巡洋艦の3番艦 出典 パブリックドメイン

その中から2隻分を選ぶなら功績以外での要素が影響するだろう。この点で「ふるたか」と「きぬがさ」は周辺対策効果で有利となる。艦名としての「古鷹」は旧海軍兵学校、今では海自の幹部候補生学校と1術校がある江田島の山名を採用したもの。また「衣笠」は横須賀の山名である。その採用は江田島市、呉市、横須賀市への配慮となる。

また、海自隊員にとっても特に縁を感じる艦名だ。両方とも教育課程等で登らされる山だからだ。古鷹山は幹部候補生学校・1術校の真裏にある。そのため保健行軍(実態は散歩)に組み込まれる。衣笠山も同様に横須賀教育隊の保健行軍の範囲である。

 

■ 「みかさ」は現役なので使えない

なお「みかさ」はない。最も有名な武勲艦ではあるが現用艦では採用されない。理由は現役だからだ。横須賀にある「三笠」は今でも防衛省の現役艦船である。国有財産台帳でも防衛省雑船「三笠」となっている。歴とした艦船である。(*2)

▲写真 「みかさ」現存する世界最古の鋼鉄戦艦であり、日本遺産の構成文化財に認定されている 出典 横須賀集客促進実行委員会

 

*1 なお、前記事(「新護衛艦名「かが」は中国を刺激する」http://japan-indepth.jp/?p=21067)同様に本記事は公表情報のみで推測されている。防衛省未発表のインサイダー情報は用いていない。

*2 台帳は横須賀地方総監部施設課にある。2003年ころ筆者が勤務した際の財産名は「防衛庁雑船『三笠』」であり、台帳価格は60万円であった。なお海自は毎年1000万円以上の維持予算を三笠に投じていた。そのため毎回会計検査では現地確認をされたが、毎回とも「かの『三笠』」の説明で検査院は納得していた。

トップ画像:護衛艦「いずも」型 出典 海上自衛隊ホームページ

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