「いずも」級軽空母は南沙・海南島攻撃に使われる
Japan In-depth / 2018年5月11日 10時56分
文谷数重(軍事専門誌ライター)
【まとめ】
・「いずも」級軽空母、最新機F-35B搭載を計画。
・求められる役割は中国海軍との再均衡の追求。
・ 軽空母は制海権獲得ではなく、南沙・海南島等への空襲に用いる。
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日本は軽空母をどのように利用するのだろうか?
自衛隊は「いずも」級を計画している。垂直に離着陸もできる最新機F-35Bを搭載する。それで軽空母として利用する。これは10年以上前から決まっていた話だ。船体サイズ、エレベータや甲板開口部、格納庫天井高といった寸法や耐荷重は当初からF-35B対応とされていた。
図)筆者作成
だが、実用性について疑問が寄せる意見も多い。「搭載機数10余機では力不足である。」「それでは沖縄方面での対中戦には非力で向かない。」そういった主張だ。だが、それは誤った判断だ。疑問は軽空母に求められる役割、あるいは有り得べき使い方と合致していない。
写真)F35B
flickr : Airwolfhound
■ 求められる役割は中国海軍力とのバランシング
まず、最初に挙げる誤りは軽空母をドンパチの武器と考えている点だ。これは空母整備の目的、利益への不理解を示している。
今日、日本が軽空母戦力を整備しようとする理由は何だろうか?中国海軍とのバランシング、再均衡追求である。日本は海軍力での劣勢に陥りつつある。中国に対し艦隊戦力で既に数的劣勢に陥っている。その上、中華航母登場により質的戦力でも劣位に陥ろうとしている。
軽空母整備はその改善を目的としている。中国は空母保有により対日有利を獲得しつつある。それを覆し、従来のような相対的劣勢に留まらぬため、日本も空母を持たなければならない。だから艦載戦闘機を運用できる軽空母が求められている。
あるいは、その海軍力劣位がもたらす不安感の払拭である。中国が空母を保有した。それにより日本国民が海軍力での劣位に不安を感じている。それを解決するには日本も空母を保有すればよい。そういった発想だ。
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