スーチー氏への失望広がる ロヒンギャ問題
Japan In-depth / 2018年5月13日 2時14分
大塚智彦(Pan Asia News 記者)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・国連安全保障理事会の視察団がロヒンギャ族の避難民キャンプを訪問。
・英国連大使ピアース氏、人権侵害事案の捜査を「国際刑事裁判所(ICC)」に委ねる考え示す。
・国軍擁護を続けるミャンマー政府とスーチー顧問への失望広がる。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合にはJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=40012でご覧ください。】
国連安全保障理事会の視察団がミャンマーの少数イスラム教徒ロヒンギャ族の問題に関連して、避難民として逃れているバングラデシュのキャンプや元々居住していたミャンマーのラカイン地方、そして首都ネピドーを訪問した。
▲写真 ロヒンギャ難民キャンプ 出典:OIC Official Instagram
各国国連大使など15人からなる視察団はネピドーでアウンサンスーチー国家顧問兼外相やミンアウンフライン国軍最高司令官と会談し、ロヒンギャ問題で意見を交換したものの「ミャンマー国軍による深刻な人権侵害や民族浄化」を証明しようとする国連側とあくまでテロリストを対象にした軍事作戦であるとするミャンマー側の主張の隔たりは埋まらなかった。
▲写真 アウンサンスーチー国家顧問兼外相 出典:photo by Claude TRUONG-NGOC
▲写真 ミンアウンフライン国軍最高司令官 出典:photo by Htoo Lwin
ロヒンギャ問題が2017年8月に大きくクローズアップされて以来、国連による初の大規模視察団をミャンマーが受け入れたものの、ロヒンギャ問題の根本的な解決にはほとんど無力だった。
■ 国境の東西で現状を視察
国連安保理視察団は4月29日にバングラデシュ南東部のコックスバザールにあるロヒンギャ族の収容施設をバングラデシュ政府関係者の案内で視察した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の調査によると2017年8月にミャンマー国軍によるロヒンギャ族への軍事作戦開始以降、ラカイン州から国境を越えてバングラデシュに逃れたロヒンギャ族は67万1000人に上っている。その多くがコックスバザールとその周辺にある収容施設で不自由な生活環境、厳しい衛生状態、不十分な食糧の中での生活を余儀なくされている。
この記事に関連するニュース
-
アングル:ミャンマー内戦、国軍と少数民族武装勢力が迎える「転換点」の攻防
ロイター / 2024年5月11日 8時4分
-
ミャンマー:戦闘の激化、病院の閉鎖、ロヒンギャへの迫害──国境なき医師団スタッフが目撃した過酷な実態
国境なき医師団 / 2024年4月30日 17時14分
-
自家製爆弾vs竹やり。牧師が率いる「手作りの内戦」に同行した 国際社会の支援はゼロ。「打倒軍政」を支えるのは市民の熱意【ミャンマー報告】2回続きの(1)
47NEWS / 2024年4月28日 11時0分
-
米国務省、2023年人権報告書を公表、イスラエルとハマスの衝突は「人権に関する深刻な懸念」(米国、イスラエル、イラン、ロシア、ウクライナ、スーダン、中国、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月23日 13時40分
-
国連安保理、パレスチナの国連加盟勧告決議案を否決、米国が拒否権行使(パレスチナ、イスラエル、米国、アルジェリア、中国、フランス、ロシア、エクアドル、ガイアナ、日本、マルタ、モザンビーク、韓国、シエラレオネ、スロベニア、英国、スイス)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月22日 14時20分
ランキング
-
1「殺害も頼まれた」 那須2遺体 「指示役」を殺人容疑で再逮捕へ
毎日新聞 / 2024年5月18日 23時0分
-
2大阪・枚方市のマンションで19歳の女子大学生が刺され死亡、26歳無職男を殺人容疑で緊急逮捕
読売新聞 / 2024年5月18日 23時13分
-
3「戦争ではなく虐殺」 ナクバの日に合わせ、大阪でガザ侵攻抗議デモ
毎日新聞 / 2024年5月18日 21時23分
-
4岸田政権、台湾と協調維持 中国刺激回避も意識
共同通信 / 2024年5月18日 21時30分
-
5撮影者「こんな火事見たことない」下呂温泉の温泉街で木造二階建ての飲食店が燃える 周辺旅館の宿泊客ら避難
東海テレビ / 2024年5月19日 6時25分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください