仏、救急要請無視で女性死亡
Japan In-depth / 2018年5月20日 10時42分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・救急医療サービスが緊急電話を無視、22歳女性が死亡。
・地元紙が衝撃的なオペレーターの会話録音を公表。
・労働環境の問題か、個人の過ちか。裁判の結果が注目される。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=40106でお読み下さい。】
「何度聞いても、まったく変わらない恐怖感が沸き上がる」
フランスで急病を発症し、死亡した女性と公営救急医療サービス(SAMU)のオペレーターの会話の録音に対する、フランスの番組司会者の感想だ。
去年12月、フランス東部ストラスブールの自宅でナオミ・ムセンガさん(22)が激しい腹痛に見舞われ、救急車を呼ぼうとSAMUに電話をかけた際の会話。この録音が、ストラスブールの地元紙HEB'DIで公表された後は、あっという間に大手のメディアで取り上げられ、フランス全体に怒りが広がった。
「どうしましたか?」(オペレーター)
「(小さい声で)助けてください…」(ムセンガさん)
「どうしましたか?」(オペレーター)
「助けてください…」(ムセンガさん)
「よし、どうしたのか言えないなら、切るわよ」(オペレーター)
「…とても痛いんです」(ムセンガさん)
「じゃあ、お医者さんに電話してください。わかった?」(オペレーター)
▲写真 SAMUのオペレータースタッフ 出典:SAMU Twitter
この録音はまだまだ続く。どこが痛いのかを聞かれるが、ムセンガさんはとても弱々しい声でお腹が痛い、全身が痛いと説明するも聞いてもらえず、公的緊急医療サービス(SOSメドゥサン)か主治医に電話をかけてくださいと一転張りの返答が続く。
「SOSメドゥサンに電話してください」(オペレーター)
「むり…」(ムセンガさん)
「できないの?救急には電話できてるのに、できないんですか。はい、死にそうなんですね。いつかは死ぬわよ。みんなと同様にいつの日か。」(オペレーター)
「お願いします。マダム助けてください…」(ムセンガさん)
この後、オペレーターはSOSメドゥサンの電話番号を繰り返し電話するようにいうが、ムセンガさんは承諾の返事の代わりに「うう。。」とうめき声しかあげてない状況だ。それでもオペレーターはそのまま「さようなら」と電話を切ってしまう。
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