もはや治る見込みがない病理 サッカー日本代表のカルテ その4
Japan In-depth / 2018年5月26日 11時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・本田、香川、岡崎らに頼って冒険をしない、無責任な代表選出。
・若く、「ポリバレント」である中島翔哉落選に疑問。
・ 目先の結果にこだわる日本サッカーの病理は深刻。
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私の口から漏れたのは、まずは溜め息。次いで、「夢も希望もないな」という独り言だった。
5月18日、ガーナとの親善試合(30日予定)にのぞむサッカー日本代表27人が発表された直後のことである。
あくまでも、親善試合の招集メンバーではある。しかしながら、ワールドカップ・ロシア大会本番まで残り1ヶ月ほどというタイミングであってみれば、この中から本大会の出場メンバー23人の大半が選ばれることは、疑う余地がない。
ちなみに23人枠というのは、現行の国際ルールで、ワールドカップ本大会では1試合につき3人までしか交代が認められない中で、ゴールキーパーは3人、他のフィールドプレーヤーについては1ポジションにつき2人ずつ、ということである。ただし。これはあくまで基準で、どのポジションに何人選ぶかは監督の裁量に任されている。
それはさておき、今次の代表候補の一体どのあたりが、私に「夢も希望もないな」とまで言わしめたのか。
まず、選手の年齢。30代の選手が27人中9人。3人に1人を占めている。当然ながら平均年齢も高く、27.8歳。
サッカー選手のみならずアスリートの競寿命が延びてきているのだから、という見方もあり得ようが、2014年のブラジル大会から、さらに1歳高くなったという事実は指摘しておきたい。
多くを語るまでもなく、本田圭佑、香川真司、岡崎慎司のいわゆるビッグ3が、4年の歳月を経てなお、代表に残っているからで、長友佑都、長谷部誠らにも同じ事が言える。
一方で、私が4年先、8年先の日本サッカーのことを考え、今回この2人を起用したら、たとえ掌返しと言われようが西野監督に謝罪してもよいとまで言った(シリーズ第3回参照)、19歳の堂安律と16歳の久保健英については、代表招集を検討された形跡すらなかった。
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