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もはや治る見込みがない病理 サッカー日本代表のカルテ その4

Japan In-depth / 2018年5月26日 11時0分


▲写真 堂安律(FCフローニンゲン) 出典:FCフローニンゲン



▲写真 久保健英(FC東京) 出典:FC東京


少子高齢化をサッカーにまで持ち込んでどうするのか、と言いたい。


念のため述べておけば、私はハリルホジッチ前監督の当時から、本田圭佑選手だけは代表に呼んだ方がよいと考えていた。



▲写真 ACミラン時代の本田圭佑選手 出典:Photo by Tommaso Fornoni


彼は、イタリアの名門ACミランで出場機会に恵まれず、その結果、日本代表に呼ばれなかったり、呼ばれてもベンチを温めたりしていたのだが、それはそれで、ハリルホジッチ監督には、代表候補の選考に際して、「リーグのレベルにかかわらず、試合にちゃんと出ている選手を使う」という明確な基準があった証拠である。


本田はその後、メキシコのパチューカに移籍して再び才能を開花させたし、なにより、今次はロシア大会だ。ロシアのリーグで戦った経験を持つ代表候補選手は彼くらいしかいない。この経験値を生かさない手はないだろう。


しかし、西野新監督の場合、はじめから「今の日本代表は、本田が攻撃の軸となる」という結論ありきではなかったのか。



▲写真 西野朗新監督 出典:Светлана Бекетова


もちろん、彼の心の中までは分からない。今次の代表候補27人の中に、左利きの選手が他に見当たらない、というあたりから推測するしかない。さらに言えば、香川はどうなのか。


原因は不幸なケガではあるが、3ヶ月近くも実戦から遠ざかっているのは事実だ。西野監督自身、最終的に代表に呼ぶかどうかは「デリケートに考えないと」などと語っているが、これでは前監督を電撃解任して、日本サッカーに一体なにが残ったのか。溜め息も出ようというものだ。


サプライズもあった。ただし、悪い意味で。


2年前のリオデジャネイロ五輪で日本代表(23歳以下)の10番を背負い、今期はポルトガル1部リーグで29試合に先発、うち21試合はフル出場して、10ゴール12アシストという抜群の実績ながら、23歳とまだ若い中島翔哉が落選したのである。


私が前回(シリーズ第3回)で彼に言及しなかったのは、紙数の問題に加えて、当然代表に呼ばれるものと思い込んでいたからだが、西野監督は「ハリルホジッチの遺産」を使うのがそれほど嫌だったのか。選外となった理由は「ポリバレントではなかった」からだそうである。


ポリバレントとは、戦術の変化に対応して複数のポジションをこなすことができる、といったほどの意味で、もともとは化学用語であると聞く。一般にはユーティリティ・プレイヤーと言われるが、大体同じ意味で使われたのだろう。語源はさておいて、中島が「ポリバレントでない」とは、それこそ冗談ではない。


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