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仏でホメオパシー論争再燃

Japan In-depth / 2018年5月31日 18時0分

しかしながら、問題にされる点は、その効果を過信しすぎて必要な治療ができなくなる点でもあります。

2017年9月には、欧州科学アカデミー(Easac)がホメオパシーについて非常に深刻な意見を発表しました。

「時にはプラセボ効果があるとしても、ホメオパシー製品の有効性についての確かな証拠はない。さらに悪いことに、ホメオパシーは、患者が適切な治療を受けるのを断ることによって、有害になる可能性があります。」

ホメオパシーに固執し、適切な治療を行われなかった例は日本にもあります。2009年に起こった「山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故」。与えるべきビタミンKシロップを与えず、いわゆる「レメディー」を用いて新生児を死に至らしめたとして助産師が訴訟を起こされました。この出来事を受け、日本学術会議が2010年8月24日、ホメオパシーの効果について全面否定し、医療従事者が治療法に用いないよう求める会長談話を発表するに至っています。

2013年フランスでも、乳がんの化学療法を受けていた52歳の女性が、医療関係者の助言に従いホメオパシーのみの治療に切り替え、その後は適切な治療を受けることなく亡くなり、助言した医療関係者が遺族によって訴えられました。

また、つい最近でも、2017年イタリアで中耳炎に対して抗生物質を与えられることなくホメオパシーのみで治療されたため7歳の子供が死亡し、この出来事に対して論争が起こりました。

そこで、このような問題点をはらんでいるホメオパシーを、はたして科学的に効果を証明されていないのにもかかわらず、国が保険適用することで肯定し続けていいのか?と言う意見が出ているのです。

効果を信じ必要とする人も多い一方、有害な一面もあるホメオパシー。フランスのホメオパシーの立ち位置を明確に知るためにも、議論の結果が待たれるところですが、今後、議論の結果がどうなるにしろ、人々が議論を通してホメオパシーについての正確な情報が広がることが、一番重要なのことであるのかもしれません。

*トップ写真)レメディ 出典)ホメオパシーセンター

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