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福島県で梅毒患者が急増中

Japan In-depth / 2018年6月1日 11時0分

スロバキアのコメニウス大学の医学生である妹尾優希さんは「「私の大学で、このアプリは流行しています。私のルームメイトもティンダーを通じて恋人と知り合いました。同級生との間でも、ティンダーで知り合った人の話題がよくあがります」」という。

このようなアプリの出現は、若者の行動に影響するだろう。英国や米国が国家を挙げて、性病対策を行っても、感染者が増加しているのも頷ける。

このことは、既に社会的な議論が始まっている。米国のジョナサン・マーミン博士はニューヨークタイムズ紙のインタビューで、「ティンダーのような出会い系アプリの登場は、性感染症増加の原因かもしれません。ただ、現時点では、その影響は証明された訳ではありませんが」と答えている。

今後、状況は益々悪化する。5月1日、フェースブック社は、フェースブック内で使用できる「出会い」機能を年内に追加することを発表した。「交際中」や「既婚」の場合、使用制限をかけるそうだ。同社は「米国の夫婦の3組に1組はネット上で出会っている。その場限りではなく、長期的な関係を築けるようにしたい」とコメントを発表しているが、フェースブック上では約2億人が「独身」と明示しており、果たしてどうなるかわからない。

では、どうすればいいのだろう。私は社会に正確な情報を発信しつづけるしかないと思う。出会い系アプリを規制することはできないし、そんなことをしても、「潜る」だけだ。

最近、興味深い動きがあった。かねてから、女性の健康問題について研究を続けていた山本佳奈医師(ときわ会常磐病院)が、一般人向けの性感染症の冊子を作り、配付し始めたのだ。

▲写真 山本佳奈医師が作成した性感染症対策のパンフレット ©上昌広

費用は彼女自身が負担し、まず、周囲の人に配り始めた。受け取った多くの人は「こんなに重大な問題だとは知らなかった」という。

この動きを知り、応援者も現れた。その一人がNHKの八重樫伊知郎氏だ。彼女の活動を一人でも多くの人に知って貰いたいと考え、5月24日、福島県内で「性感染症防止にリーフレット」というニュースを配信した。このニュースを見た人から「冊子を送って下さいというリクエストが殺到している(山本医師)」という。

▲写真 山本佳奈医師 出典:ときわ会常磐病院

問題意識を持つ人は繋がる。東京大学教養学部で生物学を教える坪井貴司教授は、山本医師の活動を知り、学生に対する講義を依頼した。さらに「一緒に学生向けの教科書を書きましょう」と提案した。坪井教授は「日本の性教育は遅れています。大学時代こそ、性についてオープンに語り、学ぶいい機会です」という。

性感染対策は一筋縄ではいかない。若者の性への関心は尽きず、時に「冒険」する。読者の皆さんもご経験がおありだろう。一方、SNSは益々発展し、そのネットワークは国内に留まらない。性感染症が蔓延しやすい状況だ。

どうすればいいのか。「特効薬」はない。正確な状況を調べ、社会で共有していくしかない。山本佳奈氏、八重樫伊知郎氏、坪井貴司氏のように地道な活動を積み重ねるしかない。

トップ画像/イメージ図 出典:パブリックドメインピクチャーズ

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