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世界最悪規制のカジノ依存症対策

Japan In-depth / 2018年6月2日 17時0分

内閣委員会での答弁を聞いていると、これをギャンブル依存症対策として考えた官僚は、金利がない分問題が減るはずと考えたようだが、現実は真逆で、金利がないということで借金へのハードルが下がり自制心をそいでしまう。むしろ依存症対策というなら、金利をきっちりとかけるか、無利子で貸すのなら翌日返済など期間を短くすべきである。

 

○ 富裕層のギャンブル依存症問題

そもそも政府は「富裕層はギャンブル依存症にならない」と考えているか、もしくは「富裕層こそカジノに来て欲しいので、富裕層の依存症者がでても構わない」と考えてギャンブル依存症対策を打ち出していると思われる。

しかしギャンブル依存症は精神疾患であり、ギャンブルをやる人なら誰にでも罹患する危険性がある。実際に、元大王製紙会長の井川意高氏や、元関脇貴闘力関の事件、他にも90年代にカジノで破たんし職務を放り投げ失踪した、狛江市の石井三雄元市長なども資産家であったことを鑑みれば、財力は関係ないことがわかる。

▲写真 井川意高氏 出典:ニコニコインフォ

▲写真 貴闘力氏 出典:Instagram

実際支援の現場にいると富裕層の相談もよく受けるが、富裕層の支援は庶民の支援に比べたら、数倍もしくは数十倍も大変な労力がかかり、さらに周囲に対する悪影響もとても大きくなる。

例えば、富裕層は家族、親族もお金を持っていることが分かっているため、当事者はなかなか底をつかない。そして、家族らも問題を世間に知られるまいと必死に隠す傾向にあり、なかなか外部に支援を求めることができない。

さらに当事者がワンマン社長であったりすると、会社のお金を使いこみ始めることはもちろんのこと、場合によっては下請け会社にも無理を言って借金をし始めたり、支払いが滞るような問題が起こり、連鎖倒産の危機に見舞われる。

また私が経験した最も悲惨な事例では、長く続いた会社を守ろうと、古くからいた番頭さん的な長老社員たち数名が、自宅を担保に入れてまで数千万円ずつ用立て悪戦苦闘した結果、会社が倒産しただけでなく、社長一族から幹部社員もみな自宅まで奪われてしまったというものである。あの幹部社員達のご家族の心中を思いやると、今も胸が痛む。

更に、問題なのは富裕層にはいくらでも金を貸してしまう人がいるということである。実際私もギャンブルにハマっていた頃、海外カジノに一緒に行った小金持ちの会社経営者に、私にとっては大金だが、バカラにハマっているお金持ちにとってははした金にすぎない30万円を貸してしまったことがある。今思えば、あんなにガンガン張っている社長が当時小娘だった私の様なものに30万円借りるなど既に切羽詰まった状況だったと思うが、あの頃の私はそんなこと全く分からず、「決して取りっぱぐれるはずがない」と思って貸し、見事に取りっぱぐれた痛い経験がある。

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