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世界最悪規制のカジノ依存症対策

Japan In-depth / 2018年6月2日 17時0分

また闇金も、庶民にはリスクが大きいので少額しか貸さないが、身元のしっかりした富裕層には数千万単位で貸し付けを行う。「毎日、黒い車で見張られ、怖くて仕方がない。」というご家族の依頼を受け、介入した経験もあるが、その時は闇金の借入が5千万円もあり、それを週に1割の利息を返済し続けてきたと聞き驚いた。しかも、現在の借入の他に、アパート2棟分、闇金の支払いに充てたというのである。

IR法案では、もちろんカジノそのものに暴力団などが入りこむ隙はないであろうが、こういった反社会的な問題も起こりうることを考慮し、バクチの種銭を煽るような真似は絶対にやってはいけないのである。

このように、実は富裕層向けにこそ、ギャンブル依存症対策はしっかりやらなくてはならないのに、IR実施法で議論されているギャンブル依存症対策は、まさにカジノのターゲット層である富裕層向けの依存症対策があまりにずさんである。

 

○ 「入場料6000円」「入場回数月10回」迄は依存症対策として有効か?

2018年6月1日の衆議院内閣委員会の立憲民主党の初鹿明博議員の質問に対する答えで、これら入場制限はギャンブル依存症対策ではなく、安易な入場を抑止する予防策であることがわかった。では実際には入場料6000円はどれほどの抑止力になるのか?基本的にカジノというのはフリードリンクフリーフードである。朝昼晩の三食飲食タダとなれば、1日中いて元をとってやろうと考え、むしろ長居をする可能性がある。また数十万、数百万、数千万の勝負をしに来るカジノの顧客が6000円を気にするのか?はなはだ疑問である。

さらに入場回数10回という制限は、あって無きがごとしで、そもそも月に10回もカジノに行くようであれば既に依存症が疑われる状況と思われるし、例え入場制限がかけられても、海外カジノなどいくらでも安く行けるし、オンラインカジノや闇カジノだって国内には蔓延している。

 

○ 「しっかりやる!」は中味のない口約束

IR実施法の依存症対策を語る上で、一番問題となることは、実施法を検討した推進会議のメンバーに、ギャンブル依存症の有識者が一人もいないどころか、長年「ド」がつくくらいカジノを推進されてきたメンバーしか入っていないことにある。

ギャンブル等依存症対策基本法は、最後の最後で自由民主党中谷元先生を始めとする、与野党の先生方の頑張りで、当事者・家族らを含む関係者会議を入れることができたが、そもそも日本の官僚は、自分たちの都合のよいように法案を作りたがり、多様な声に耳を傾ける姿勢にない。

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