仏、アルツハイマー型認知症治療薬保険適用外に
Japan In-depth / 2018年6月17日 18時0分
Ulala(ライター・ブロガー)
【まとめ】
・仏保健省、アルツハイマー型認知症治療薬の保険適用除外を決定。
・仏南西に「アルツハイマー病患者村」の建設開始。
・同村では、アルツハイマーの治療法の研究が行われる予定。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=40472でお読みください。】
フランスで、アルツハイマー型認知症治療薬が8月1日より保険適用を外されることになりました。
アルツハイマー病とは、脳の萎縮により、場所や時間、人物などの認識ができなくなるなどの記憶障害や、身体的機能が低下して動きが不自由にもなる病気です。
進行の度合いには個人差があり、10年経っても自立して穏やかに暮らしている人もいれば、わずか数年で寝たきりになってしまう人もいますが、現時点ではアルツハイマー病の根本治療薬はまだ出てきておらず、病気の進行を遅らせることができるとしたアルツハイマー型認知症治療薬が保険適用で処方されていました。
しかし、今回フランス保健省は、世界中でこれまでに発表された研究を調べた結果、投薬により消化器症状や循環器、神経症状等の副作用が懸念される一方で、病状を改善するような充分な治療効果は認められなかったとし、アルツハイマー型認知症治療薬4剤に対し「医療保険でカバーするのは適切ではない」との決定を下したのです。
対象となるのは下記の4製品。(カッコ内は日本での製品名)
・ドネペジル(アリセプト)
・ガランタミン(レミニール)
・リバスチグミン(イクセロン/リバスタッチ)
・メマンチン(メマリー)
同時に、保健省は「患者に対する薬以外のケアを強化する」考えも表明し、これらの方法にて今後は対応にあたると説明しています。
・一般開業医の役割の強化
・介護者の負担の軽減
・アルツハイマー病特別チームを全国に設置
とはいっても、フランス政府も薬物治療自体を否定しているわけではありません。現在も大きく予算をさいて研究は引き続き行われています。アルツハイマーの根本治療薬や治療法の研究はこれからも全世界の課題であることは間違いないのです。
そんな中、6月4日からフランス南西に位置するダクス市近郊で、いわゆる「アルツハイマー病患者村」の建設が始まりました。次の段階の研究とも言える試みです。
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