仏、アルツハイマー型認知症治療薬保険適用外に
Japan In-depth / 2018年6月17日 18時0分
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このプロジェクトの指導者でもあるボルドーのペレグリン大学病院の神経学・疫学者ジャン・フランソワ・ダルティーギュ教授はこう言います。
「10年ほど、薬物治療を行わずケアする方法を研究してきました。しかし期待した成果はでませんでした。確かに自宅で療養している患者の家に支援者を送って手伝ったり、アドバイスなどをしていけば、介護者の負担も減り、患者の問題行動も多少は減らすことができます。しかし、認知能力自体は改善しないんです。何が一番重要なことなのでしょうか?今までの研究はそのことを見誤っていました。自転車に乗れたことを覚えていることが重要なのか、自転車に乗ることが重要なのか。ただ平穏でいることが大切なのか、人生を楽しんで生きることが大切なのか?この村では社会生活への参加を促していければと思っています。そのために病気でハンディキャップがある人でも普通に買い物したり、ペタンクをするなどができる環境を整え、人生を楽しむことを手伝うのです。」
▲図 フランスのアルツハイマー患者村 出典:Champagnat & Grégoire Architects
▲図 フランスのアルツハイマー患者村 出典:Champagnat & Grégoire Architects
よく、アルツハイマーを含む認知症について言われるのは、「本人にとっては病気でも何でもないが、どちらかと言うと社会的な病気である」というもの。つまり、社会に適応できないことが問題視され、そのことがさらに患者を追い詰めることにより問題行動などが起こる病気であり、誰かにとがめられるような生活ではなく、誰かが緩やかな補助をしてくれる生活を送ることができれば、問題ない生活が送れるとともに、脳の活性化にも役立つと言われています。
それを実現する村こそが、「アルツハイマー病患者村」。この、フランス初となるアルツハイマー病患者村は、オランダ・アムステルダムで行われている同様の取り組みが参考にされています。
▲写真 オランダのアルツハイマー病患者村Hogewey 出典:Hogewey
オランダの「認知症村」は、1992年に設立されました。この村では、例えばスーパーマーケットでは、レジでお金を支払うことを忘れても登録されたナンバーで一括で精算できるシステムになっています。一般社会で普通のスーパーならお金を払わなければ警察を呼ばれることになりますが、支払いのシステムが整っている環境では誰からも責められることはありません。
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