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「解説者・大島優子」待望論 超入門サッカー観戦法 その2

Japan In-depth / 2018年6月24日 0時48分

ちなみに、この選手の名前はみんな「ダヴィド」と発音するのだが、ダヴィと愛称で呼ぶあたり、芸が細かい。ブラジルにロケに出かけて、現地の人に交じってサンバを踊ってみせたり、盛り上げるとはこういうことだ、というVTRも見せてくれた。

それに引き替え、たしか別の番組だったが、元日本代表の解説者はひどかった。「まず初戦に勝つこと。そうなれば1次リーグを突破できる確率は80パーセント以上」などと、したり顔でのたまわったのだ。思わず、「お前は中学サッカー部員か」などと画面に向かって毒づいてしまった(昭和生まれとしては〈ブラウン管に向かって〉と書けないところがつらい笑)。

話を戻して、サッカー観戦の醍醐味は、実はディフェンスを見るところにある。TV中継に限ったことではないが、1−0で勝ったような場合、唯一の得点を決めた選手にばかり注目が集まるが、本当に賞賛されるべきは、相手の攻撃を完封した守備陣なのだ。

具体的に、どういうことか。6月19日に行われた、ワールドカップ・ロシア大会の1次リーグ初戦で、日本は最大の難敵と思われていたコロンビアを下した。案の定、翌日のスポーツ紙では、決勝点をあげた大迫勇也の名が1面の大見出しだった。しかし、私に言わせれば、あの試合の最大の功労者は長友佑都で、特に前半25分、相手に突破された決定的な場面から、からくもコーナーに逃れた守備が、日本の勝因だったとさえ思える。

相手のシュートコースに足を出し、ボールをピッチの外に蹴り出してしまうと、相手方にコーナーキックの権利が与えられるが、失点する確率はぐんと低くなる。これを「コーナーに逃れる」と言う。

またまた「案の定」だが、急に西野監督の采配を褒め称える声も高まった。噴飯物、と言うしかない。

▲写真 カルロス・サンチェス選手 photo by Liondartois

開始3分でコロンビアのカルロス・サンチェスが、香川真司の放ったシュートを腕で防ぎ、レッドカードで一発退場になった。PK(ペナルティ・キック)が与えられて香川の先制ゴールを呼ぶと同時に、11対10という有利な試合展開になるとか、相手選手の中で最大の脅威とされていたハメス・ロドリゲスがコンディション不良で先発を外れるとか、どうやったらそんな「采配」が可能なのか。

もちろん私は日本代表の勝利に、ただのラッキーだ、などとケチをつけるつもりはない。ただ、再三述べているように、サッカーという競技は、本当になにが起きるか分からず、だからこそ面白いのだと再確認できた試合ではあった。とは言え、日本が優勝できる可能性となると、これはパーセンテージで言えば限りなくゼロに近い。

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