海自・航自はボルトアクション小銃でよい
Japan In-depth / 2018年6月24日 7時0分
文谷数重(軍事専門誌ライター)
【まとめ】
・海、空自衛隊はまだ50年前の64式小銃を使っている。
・複雑であり整備に手間がかかり動作不良も多く発生している。
・安価なボルトアクション式小銃に更新すべきだ。
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海上・航空自衛隊にはボルトアクション式小銃が向くのではないか。海空自は基本的に64式小銃を使用している。1964年に採用された旧式小銃である。やはり50年以上前にNATOで規格化された7.62ミリ弾丸を発射する。
▲写真 64式7.6ミリ小銃 出典:photo by JGSDF
64式は不評だ。複雑で部品が多い。しかも整備性や人間工学への配慮がない。そのため扱いにくい。経年劣化のせいか撃ち針の力が弱く不発が出やすい。女性が持つには大きく重い。しかし、更新の目処は立たない。新型89式は登場30年に達するが陸自すら更新しきっていない。それでいて旧式化しつつある。新・新小銃への更新の話もでている。この状況で海空自衛隊に新しい小銃が廻る見込みはない。
この64式更新の問題はどう解決すべきか?海空なら簡易なボルトアクション式を導入することだ。旧日本軍隊が使っていた38式と同じタイプであり、銃身末端にあるボルトつまり尾栓を手動操作して射撃を継続する小銃だ。海空自衛隊が行う基地警備ならそれで足りる。
その利点は3つある。単純であり隊員業務に負荷を掛けないこと。単価が安いこと。既存弾薬を活用できることだ。
▲写真 ボルト ©文谷数重
■ 整備がいらない
第一の利点は整備不要だ。ボルトアクションはシンプルである。複雑巧緻でしかも火薬ガスで汚染・腐食しやすい連発機構がない。手入れは射撃実施後に洗い矢で銃身内部を拭うだけでよい。
更新すれば64式不評の相当部分が解決する。現場の海空自衛隊員にとっては整備の面倒が問題点のほぼ全てだからだ。64式は射撃前・射撃後の整備が面倒くさかった。
もともと不良動作が多いため手入れは完全分解となる。それも素手だけではできない。一部はドライバーや専門のポンチが必要となる。そして中には腕時計のバネ棒よりも小さいピンがある。外したあとに誰かが必ず「部品がなくなった」と騒ぐ。同様に組み立てると部品が余る隊員も出る。こちらは引き金廻りだ。海空隊員にとっては小銃は商売道具ではない。いつも久しぶりなのでそうなる。
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