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海自・航自はボルトアクション小銃でよい

Japan In-depth / 2018年6月24日 7時0分

そのため平常業務への負担は大きい。午前に武器手入れがあるとそれで潰れる。当番にあたった下士官・兵が朝礼後、9時前に出発すると戻ってくるのは11時前だ。直ぐに無料昼食である。営内者の給食は慣例で11時20分頃からだ。つまり午前は商売にならない。

ボルトアクションにはそれがない。ボルトを外す。マカロニと呼ばれる綿帽子をつけた洗い矢で銃身内部を拭えば手入れは終わる。もちろんボルトや引き金部も分解する気になれば分解できる。64式のように火薬ガスで汚れないため必要はない。

▲写真 洗い矢 ©文谷数重

これは海空自衛隊にとっては好適である。小銃整備やその準備教育に時間を取られないのだ。

 

■ 安価であること

次の有利は安価な点である。ボルトアクション式は極めて安価であり入手性が高い。

国産軍用小銃は高い。ほぼ自衛隊しか使わない。このため生産数が見込めない。しかも製造企業や生産ライン維持として30年に及ぶ少数生産を続けている。逆に効率化はしてはならない世界である。価格も逓減しない。

そのため、現用の89式は30万円を超えている。値段としては米国やロシアの小銃よりも一桁高い。新小銃はさらに高額となると噂されている。清谷信一氏の示唆によれば100万円を超える価格提示があったともいわれている。

▲写真 89式5.56mm小銃 出典:Crescent moon

そのような小銃を海空自は買いたがらない。そもそも使う道具でもない。実用も儀仗隊程度である。だからいまだに64式のままなのだ。

本心は安価な米国・ロシア製小銃が欲しい。だが、防衛省には防衛産業への気兼ねがある。だから全体装備としては買わせてくれない。研究用・特殊部隊用として少数購入しているだけだ。

ボルトアクション小銃はこの問題も解決する。民生用ライフルとしては標準的であり単価が安い。そして国産可能だ。世界有数の製造企業が日本にもある。だから短期に納入可能である。

単価は10万円を下回る。お手頃価格の普及品で知られるレミントンM700は最低グレードで市価5万円程度だ。それに剣座と呼ばれる銃剣取り付けパーツを追加すれば軍用小銃となる。日本製造で知られるブローニングにしても一般品は10万円はしない。

▲写真 レミントンM700  出典:photo by M855GT

つまりは海空自衛隊でも一挙更新が可能となる。海空は初級幹部から拳銃身分である。隊員のうち小銃身分となる下士官以下はそれぞれ3万人程度だ。

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