ロヒンギャ族の知られざる顔
Japan In-depth / 2018年6月24日 21時22分
大塚智彦(Pan Asia News 記者)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・世界に6850万人の難民、ロヒンギャ族約70万人も。
・アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)によるヒンズー教徒虐殺の情報も。
・ロヒンギャ問題に対するアウンサンスーチー顧問の姿勢に批判。
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6月12日は国連総会が制定した「世界難民の日」である。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると2017年末時点で世界には6850万人の難民と言われる人々が母国やもともとの居住地を離れて不自由な生活を送ることを余儀なくされている。
2017年に新たに国内外で避難を余儀なくされた人々は1620万人に上り、東南アジア地域ではミャンマーの少数派イスラム教徒のロヒンギャ族約70万人がバングラデシュに逃れ、難民生活を送っている。ロヒンギャの人々は、昨年8月にロヒンギャの武装組織がミャンマー警察の施設を襲撃した事件をきっかけにミャンマー軍の掃討作戦で暴行、放火、略奪、殺害という人権侵害を受け、国境を越えてバングラデシュに逃れ、難民となった。
▲写真 Cox’s Bazarの近くに広がるKutupalong難民キャンプ 2017年11月25日 flickr : DFID – UK Department for International Development
▲写真 Kutapalong Refugee Camp in Bangladesh 2016年12月22日 出典:Maaz Hussain (VOA)
国際社会はミャンマー軍による過剰な人権侵害を厳しく指弾、「民族浄化」作戦であるとしてノーベル平和賞受賞者であるミャンマーの実質的国家指導者、アウンサンスーチー国家最高顧問兼外相に「ノーベル賞を返上せよ」と迫るなど非難が集中している。
しかし、難民問題のきっかけとなったロヒンギャ族の武装集団の詳細についてはなかなか事実関係が伝わってこないが、同集団は別の少数民族であるヒンズー教徒の村を襲撃、村人をイスラム教徒からみて「異教徒」であるとの理由で虐殺していたことがわかった。さらにバングラデシュの難民キャンプ内でもこの武装集団への賛否を巡る意見の対立から衝突や暴力事件まで起きているという。
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