「今さら人に聞けない基礎知識(中)」 超入門サッカー観戦法 その4
Japan In-depth / 2018年7月2日 23時28分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
「林信吾の西方見聞録」
【まとめ】
・世界的スター選手がいることが、世界一の実力に直結するわけではない。
・W杯こそ最高峰の大会であらねばならない、というFIFAの強い意志。
・FIFAに批判はあるが、「20世紀最大のヒット商品」を生んだ功績は大。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=40797でお読み下さい。】
目下サッカー界でスター選手と言えば、リオネル・メッシとクリスチャーノ・ロナウドが双璧だろう。サッカーにあまり詳しくないという方でも、この2人の名前は、どこかで聞いたことがあるのではないか。
▲写真 親善試合(サッカーロシア代表戦)でのリオネル・メッシ選手 出典:Дмитрий Садовников
▲写真 FIFAワールドカップでのクリスチャーノ・ロナウド選手 出典:Анна Нэсси
メッシはアルゼンチン代表、ロナウドはポルトガル代表として、それぞれ今次のワールドカップに出場したが、いずれも決勝トーナメント1回戦で姿を消した。アルゼンチンはフランス、ポルトガルはウルグアイに敗れたのである。
理由は、簡単に説明できる。サッカーは11人でやるものなので、世界的なスター選手がいることが、世界一の実力には直結しないのだ。むしろ相手は、そのスター選手だけ徹底的にマークしておけばよい、という戦術をとれる。徹底的にマークされている選手には、パスも通しにくい。フランス対アルゼンチンの試合では、メッシが明らかに前線で孤立していた。
さらに言えば、この2人はいずれもリーガ・エスパニョーラ、それもメッシはバルサ(FCバルセロナ)、ロナウドはレアル・マドリードという、世界第一流のクラブに所属している。懸命な読者はすでに「そういうことか」とお察しであろう。世界中からスター選手を集めたクラブにいたからこそ、彼らのプレーも輝き、その輝きが全世界に届いたのだ。
▲写真 決勝トーナメント スペインvsロシア 出典:モスクワ公式ウェブサイト
ここでまたまた話が脱線するが、ヨーロッパの主要なリーグについて、イングランドならプレミア(リーグは省く)、ドイツならブンデスリーガ、スペインならリーガ・エスパニョーラ(同じ意味だが、スペインリーグと言ってはいけない)、イタリアならセリエA(Aは必ず「アー」と発音する)と呼べば、それだけで玄人っぽく聞こえる。バカげたことだが、みんなこうしてサッカーへの関心を少しずつ深めて行くのである。
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