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「9条改正のキーワードは“我が国にとって”」大野元裕参議院議員【憲法改正論】

Japan In-depth / 2018年7月7日 18時0分

 


――2項の「戦力ではない」という解釈は維持されるのか。


大野:


自衛力は戦力ではないというのが政府の解釈だ。日本人の命を守るためであれば、必要なものは当然書き込むべきで、弊害になるものは削除するべきだ。ただし、憲法への国民の理解と、今の国際情勢を鑑みて今の時点で2項の削除は必要ない。一部の集団的自衛権の行使をしなければ、日本人の命がなくなるのであれば変えようということで、「我が国にとって」と書き込んだ。アメリカと同じことはできない。能力的に無理だし、経済的にも持たない。どこまででやるかを法的に制限しておくことは日本にとってとても意味のあることだ。自衛力は持っている、が憲法上定められていないので、そこはきちんと書く。解釈を重ねるのであれば、限定的に歯止めをかけた自衛権を置くべきだ。


 


――改正私案は、国際法的にみると、集団的自衛権一部容認案なのか、個別的自衛権の拡大解釈と理解されるのか。


大野:


個別的自衛権の拡大解釈だけはありえない。とても危険だ。第二次世界大戦まで集団的自衛権という概念はなかった。国連憲章をつくるときに初めて集団的自衛権という概念が出てきた。それまではいわば個別的自衛権をそれぞれの国ごとに解釈で拡げて戦争している。個別的自衛権は1ミリたりとも拡大するのは危険だ。


 


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大野議員が提案する追加条項


*日本国は、国際連合を中心とした国際平和のための取り組みへの寄与その他の国際協力の推進を通じ、国際社会の平和及び安全の確保に積極的に貢献するものとする。


*国際連合安全保障理事会が国際の平和及び安全に必要な活動として加盟国に対し武力の行使を容認する趣旨が明らかである決議を行った場合においては、当該決議に基づく活動の内それ自体が直接の武力行使に当たらない活動に限り、法律の定めるところにより、これに参加し又は協力することができる。


*国際連合その他の我が国が加盟する普遍的国際機関によって実施され又は要請される国際の平和及び安全の維持のために行われる武力の行使を目的としない活動であって国際法規に基づいて行われるものについては、法律の定めるところにより、これに参加又は協力することができる


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大野:


私が言おうとしているのは2つ。一つはPKOのような平和のための国際貢献。もう一つは国連憲章42条、集団安全保障。マッカーサーが日本に軍隊は不要だとしたのは、各国が参加する国連軍ができることが前提だった。日本は国連軍に守ってもらえるのだから軍隊は要らないというところから議論が始まった。それが前提だとすると、他国には守ってもらうが、日本は国連軍に参加しなくていいのか。実際にはたぶん国連軍はできない。ただ、そういう前提がある以上、憲法にきちんと書いたほうがいい。もちろん自分たちができる範囲でだ。国連軍に日本はまったく協力、参加しないと読める憲法でいいのか。


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