「“惑星直列”の様な改憲大チャンス」長島昭久衆院議員【憲法改正論】
Japan In-depth / 2018年7月8日 12時0分
Japan In-depth 編集部
【まとめ】
・「我が国にとって急迫不正」明記で集団的自衛権限定行使も可能に。
・それでも「防衛専門の自衛隊は『戦力未満』」解釈は残る。
・与野党で改憲勢力大多数の“惑星直列”のような大チャンスを生かせ。
4月12日のニコ生Japan In-depthチャンネルはゲストに長島昭久衆院議員(放送時は希望の党所属)を招き、憲法改正への見解を聞いた。大野元裕氏と共同提案の改憲私案では、9条2項を残したが、長島氏の本音は別のところにあった。
――安倍首相の改憲案への評価は?
長島:
率直に言ってがっかりした。完全に弥縫策だ。公明党の同意、協力を得たいという政局的な駆け引きは分かるが、議論を積み上げてきた自民党が、総理が「自衛隊明記」と言ったら、それに合わせて一生懸命案をつくっている。石破さんの言っていることのほうが筋は通っている。
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【長島氏大野氏 共同改憲私案】
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
第二項の規定は、我が国にとって急迫不正の侵害が発生し、これを排除するために他の適当な手段がない場合において、必要最小限度の範囲内で、自衛権を行使することを妨げると解釈してはならない。
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――民進党の大野元裕氏との共同改憲私案では、9条2項を維持している。
長島:
この案は大野さんとの共著ということもあり、(そもそも9条2項も改正すべきだと考えてきた)私としてはギリギリ妥協の産物だ。改憲を前に進めるためとの動機は安倍総理と共有しているが、決定的に異なるのは「自衛隊」ではなく、「自衛権」の在り方を憲法上明記すべきという点だ。第3項として「“我が国にとって”急迫不正の侵害が発生し、これを排除するために他の適当な手段がない場合において、必要最小限度の範囲内で、自衛権を行使することを妨げると解釈してはならない」と明記するもので、「我が国にとって」の急迫不正の範囲で自衛権の行使はできますよと明示した。武力行使の新3要件は「我が国に対する急迫不正の侵害とともに、我が国と密接な関係にある国に対するものであっても」となった。僕らはそれを一言で「我が国にとって」とした。つまり「我が国に対する」だけではなく、密接に関係しているところが攻撃されても「我が国にとって」の急迫不正性があれば、集団的自衛権も含めて行使できると読めるのが、僕らの主張だ。「我が国にとって」というのは、「我が国の領土、領空、領海にとって」ということだ。
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