「自衛隊違憲論に終止符を」中谷元衆議院議員【憲法改正論】
Japan In-depth / 2018年7月10日 0時50分
Japan In-depth 編集部
【まとめ】
・「9条1、2項維持・自衛隊明記」案で自衛隊違憲論に終止符を。
・自民党案は議論のたたき台。各党も具体案を示してほしい。
・国民投票で「自衛隊明記案」否決なら安全保障上大きな影響が出る。
ニコ生Japan In-depthチャンネルでシリーズでお伝えしている「憲法改正論」4月27日は、元防衛相で自民党憲法改正推進本部長代理の中谷元・衆院議員に改憲への思いと、自民党案取りまとめの背景を聞いた。
――9条2項削除への考えは。
中谷:
自衛隊ができて60年。国民の大半が「自衛隊は必要」という中で、いまも「憲法違反だ」という人がいる。それはないだろうと思う。やはり憲法に自衛隊は国民を守る組織として必要だと明記することがどうしても必要だ。1項、2項を前提にいまの自衛隊が認められているので、今の段階では1項、2項を残したまま国民投票で認めてもらうほうがいい。2項をなくすと、すべての集団的自衛権を認めることになる。
70年間国会で議論してきて、いきなり集団的自衛権をフルで認めるとギャップが大きい。今までの範囲の自衛の措置、自衛隊は今までと同じような活動をするというなら、国民も認めてくれるのではないかと思う。自民党は1項、2項を残したままこれまでの解釈の範囲で自衛隊を認めてくださいと提案することに決めた。
――2項削除を盛り込んだ2012年自民党改憲草案からは変わったということか。
中谷:
そうだ。当時は本来あるべき姿を目指し、国際的に認められる範囲で自衛権を考えた。しかし、フルで自衛権を認めると今までの範囲から大きく拡大してしまう。そこで安全保障基本法を定めて「日本の国を守る範囲」と規定して対応しようと思った。今回も2項を外せとの議論もあった。しかし、自衛権の拡大を国民に理解してもらえるのかとの懸念がある。
3年前の平和安全法制の審議の際、私は防衛相だった。合憲で、しかも今までの解釈の範囲内の法律だったが、「戦争法案」、「憲法違反」と大騒ぎだった。こうした経緯もあって今回、自衛隊を憲法違反ではないとするために1項、2項を残したまま自衛隊の存在を認めてもらうほうがいいという結論に至った。
――何のための9条改正かが見えてこない。結局今と何が変わるのか。
中谷:
憲法上自衛隊への疑義がなくなる。憲法の条文に自衛隊を書けば、憲法違反と言う人はいなくなる。
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