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「緊急事態条項創設、1つのテーマ」遠山清彦衆院議員【憲法改正論】

Japan In-depth / 2018年7月11日 9時35分

「緊急事態条項創設、1つのテーマ」遠山清彦衆院議員【憲法改正論】


Japan In-depth 編集部


【まとめ】


・公明党は改憲不要の立場も、社会変化を勘案した「加憲」を提唱


・9条1、2項維持・自衛隊明記の安倍首相案は有力案だが課題も


・国会議員任期延長に限る緊急事態条項は改憲のテーマ


 


ニコ生Japan In-depthチャンネルのシリーズ「憲法改正論」。5月30日は公明党の憲法調査会事務局長を務める遠山清彦衆院議員をゲストに迎え、“安倍首相改憲案”に対する公明党の考えを聞いた。


 


――憲法改正への公明党のスタンスは。


遠山:


公明党は基本的に今の憲法を高く評価しているので変える必要はないという立場だ。平和主義、基本的人権の尊重、国民主権は絶対堅持すべきだ。ただ、憲法制定から70年以上経った。当時はインターネットもプライバシーの問題も環境権の問題もなかった。北朝鮮が核兵器や何十発もの弾道ミサイルをオペレーショナルな状態で持っているという安全保障環境もなかった。そういう様々な変化を勘案した結果、憲法に新たな条項を付け加える「加憲」というアプローチの憲法改正はありうべしということは10年以上前から明言している。「加憲」は公明党の造語で、最近は有識者も普通に「加憲」と言うようになった。公明党内の議論が社会全体に大きく影響しているという感触はある。


 


――安倍首相は憲法9条の1、2項を残して新たに9条の2を加える「加憲」の考え方を示した。公明党は賛成か。


遠山:


党としては賛成まで行っていない。安倍首相案はアプローチとしては公明党の加憲に似ている。「安倍首相の憲法改正に公明党どこまで付き合うのか」という質問をよく受けるが、むしろ安倍さんが公明党に近づいてきている。自民党の案は有力案だが、様々な課題がある。個人的見解だが、「自衛のために必要な措置」との表現は安保法制で規定した限定的集団的自衛権の範囲を超えるのか、超えないのかというところを整理しなければならない。さらには、憲法には財務省や防衛省などの省庁名の記載はないが、自民党案では自衛隊が記載される。素朴な疑問として、様々な政府機関や省庁がある中で自衛隊だけ憲法に書いていいのかという議論はある。


 


――外国の憲法も省庁名の明記がなくても軍隊の規定はある場合が多い。自衛隊明記はシビリアンコントロールに影響するとの議論は違うのではないか。


遠山:


自衛隊を憲法に明記しても特別な組織になるわけではない。法律学上はその通りだ。ただ、他国は憲法に軍隊を規定しても、元々9条の「陸海空その他の戦力は保持しない」というような規定を持っていないから論争にならない。日本の場合、自衛隊は戦力ではなく日本を守るための実力組織だという答弁をしてきた。そういう組織を他国の軍隊と同じような形で憲法に規定していいのかというのは、政治家同士では論争になる。


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