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「緊急事態条項創設、1つのテーマ」遠山清彦衆院議員【憲法改正論】

Japan In-depth / 2018年7月11日 9時35分

 


――最初の国民投票では、国民の意見が割れている9条改正を見送るべきだとの意見もある。


遠山:


そこは我々も聞く耳を持っている。9条以外にテーマとなっている3つのうち、緊急事態条項の創設については、様々なバリエーションがあり得るが、公明党内でもやったほうがいいのではないかとの意見がある。東日本大震災が起きた年は統一地方選の年だったが、2万人近くの方が亡くなり、行方不明者も多く、津波で壊滅状態の町もあるのに4月に選挙をやれるのかと。結論はできないとなって1年延期することとした。地方選挙は地方自治法の改正等、国会で緊急に法律を変えれば延長できる。しかし、衆院選や参院選をやっている最中に大震災が起きても、憲法を変えないと延期はできない。例えば、東京直下地震や南海トラフ地震等が起きたとすると、2万人どころか10万近い人が亡くなって、その中には候補者も含まれる可能性もある。衆院選で街頭演説していた遠山清彦が死んでしまったということも有りえる。多数の人が亡くなり、津波で投票所となる学校も流されている状況でも、今の憲法では衆院選をそのままやらなければいけない。これはまずいだろうという意見は党内にある。「衆議院の任期の特例」というが、大地震や大災害のような緊急事態には、衆院が解散されてすでに投票日が決まっていたとしても、前職の議員に一時的にバッチを戻し、災害対応が終わるまで選挙を延期することが可能となる憲法条項を設けるべきではないかという案だ。


 


――緊急事態に一時的に人権を制約するものではなく、国会議員の任期を例外的に延長することに限った緊急事態条項ということか。


遠山:


そうだ。議員任期の延長は、恐らく野党も反対しづらいだろう。我々も国民に必要性を合理的に説明できる。しかも、向こう30年で間で南海トラフ地震が起きる蓋然性は高い。それを想定して対応しておかなければいけないのではないか。ただ、党内で最終結論が出ていない理由のひとつは、憲法の「参議院の緊急集会」の規定だ。衆議院が機能しない時に参院議員が緊急集会を開いて法律を通すなど緊急事態に対応できると読める規定だ。昭和20年代に参議院の緊急集会が開かれた過去の実例もある。主に参院議員からの「衆院が機能していなければ、参院で対応すればいいではないか」との意見もあり、党内で意見集約されていない。


 


――参院の緊急集会で当面の対応をするとしても、緊急事態で衆院選の投開票日を動かせない現状は残る。


遠山:


そうだ。衆院選の投開票を予定通りできないような状況に対応できる憲法の条項が必要だ。細かいことは議論の余地があるが、緊急事態条項の創設はひとつのテーマとなる


 


【総括】


安倍首相が「国防軍」創設をうたった2012年自民党改憲草案を破棄し、「2項維持・自衛隊明記」論に転換したのは、「加憲」を提唱する公明党の協力を得たいからなのは言うまでもない。安倍首相が突如打ち出した“自衛隊加憲”論で抱きつかれた形となった公明党は否が応でもいずれ結論を出さざるを得ない。安倍首相案を受け入れるのか、それとも一時的に連立を離脱する覚悟をもってでも反対するのか、公明党の対応は他のどの党の対応よりも注目される。


(この記事は、2018年5月30日放送のJapan In-depthチャンネルの放送内容を要約したものです。)


トップ画像:©Japan In-depth編集部


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