「護憲、改憲超えた『正憲』を」馬場伸幸衆院議員【憲法改正論】
Japan In-depth / 2018年7月12日 20時21分
――奨学金制度の充実ではなく、なぜ一律無償化なのか
馬場:
所得制限をかけるとしても、教育費を無償化することで保護者の可処分所得を増やす狙いもある。経済・景気を良くするためには個人消費を上げることが大きな柱になる。
――経済政策の意味合いもあるのか。
馬場:
そうだ。
――憲法で一律無償化とするとなかなか変えられなくなる。教育無償化は憲法に明記すべきなのか。
馬場:
安倍首相の言うように少子化は国難だ。国難を解決するためには子供を増やさないといけない。そのためには教育費の軽減が必要だ。教育無償化を行政の裁量権で左右させないためには義務教育と同じように憲法に明記する必要がある。悪夢の3年間と言われる民主党政権時代に子ども手当があった。妻はこんな制度長く続くはずがないと言って手当を貯金していた。妻の言う通り、政権が代わったとたんに子ども手当はなくなった。そういうことを教育で起こさせないためには憲法に書くべきだ。
――憲法改正の議論が進まない。
馬場:
憲法改正が実現すれば、日本の歴史に永遠に足跡を残すことになる。安倍首相にその手柄を立てさせたくない勢力が憲法審査会の開会を徹底的に妨害している。憲法審査会を開かせないというのが安倍政権打倒の一つのファクターになっている。今の国会は55年体制の再来だ。野党は様々なわがままを言ってとにかく審議妨害をする。与党はそれをなだめながら自分たちの通したい法案を通していく。最近特にその色が強くなってきた。
立憲民主党や国民民主党の議員が目指しているのはかつての社会党だ。憲法改正議論を前に進めさせない。自主憲法制定が党是の自民党の中にも憲法改正はやめたほうがいいという人たちもいるような気がする。
――安倍政権下でなくても日本では憲法改正は進まないのではないか。
馬場:
憲法審査会は一人一人平等に時間が与えられている最も民主的な運営がされている。民主的な運営をする代わりに、政局に関わらず憲法審査会を開きましょうというのがルールだった。ところが、いつの間にかそのルールが崩れて「こんな政局では開けない」、「安倍政権の間は改正させない」となっているのが今の審査会だ。本来は改正項目を審査するための会だ。
国民がその議論を聞けば、何のための改正か、改正により自分たちの暮らしはどうなるのかが分かる。憲法改正は最終的に国民が判断するもので、国会議員が決める話ではない。国会は国民が判断する材料を提供するのが役目だ。憲法審査会を開いてほしい。
【総括】
「教育無償化」「統治機構改革(地域主権)」「憲法裁判所」。維新の提案は明確だ。9条に関しても「1、2項見直し・自衛隊明記」の方向で議論を進めるという。安倍首相の提案よりも踏み込むことになり、果たして安倍首相案が妥当なのかどうか、維新との間で大いに議論を展開してもらいたい。
(この記事は、2018年5月9日放送のJapan In-depthチャンネルの放送内容を要約したものです。)
トップ画像:©Japan In-depth編集部
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