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中小企業の海外展開に活路 Japan Expo 2018

Japan In-depth / 2018年7月16日 18時52分

県により観光の宣伝を行うブースも多かった。地元の代表となる伝統的な商品とその制作会社の代表者と共にやってきて、観光と海外販売ルート確立を模索している積極的なスタンドもあれば、単に、県の観光紹介パンフレットを配布しているだけのスタンドも存在する。フランスのイベントに出店しているだけでも積極的な行動と評価するべきなのかもしれないが、なんだかまばらでまとまりがない。これが、「47都道府県」全てがずらりと並び、一同に県の産業と観光を紹介ができるなら、日本への観光誘致にも、もっと効果を発するのではないだろうかとも思う。


また、日本の中小企業の出店数はそこまで多くはなかった。さらに出店しているお店の中には海外に出店できたことに満足して終わっており、海外での販売につなげる次の展開は考えていないスタンドも見受けられたり、もしくは、「最初にパリで発表して、今後日本で展開していくのが目的」と言うような、日本国内で販売すると言う内向きな理由での出店も見られた。


もちろん、商品自体も目を引き、キラリと光る活発な出店者も存在している。


一番興味を引きつけたのは、富山県の三味線販売店「しゃみせん楽家」のスタンド。三味線はなかなか世界には出にくい商品だろう。と言うのも、やはり皮素材でできたものは輸出が難しい点が多いからだ。しかし、「しゃみせん楽家」の「SHABO(しゃみせんBOX)」と言う三味線は皮以外の素材を使い、本格的な三味線よりは値段を抑え、多様なデザインに対応できるように開発されている。



▲写真 SHABO 出典:しゃみせん楽家


最近はよく、外国人向けにおみやげとして三味線を模倣したような商品も日本で売っているが、そんな飾り物とは違い、この「SHABO」は、三味線の先生でもある濱谷拓也さんが作られているので、簡易的であっても本格的な三味線の音が実現できている。日本の伝統的な楽器を手頃な値段で購入できるせいか、なんとそれなりのお値段がするのにもかかわらず、30本持ってきた「SHABO」は完売したそうだ。


「三味線には世代も、国境も越える力がある。日本の音をフランスに広めたい。」


そう語る濱谷さん。三味線演奏のパフォーマンスも素晴らしく、濱谷さん自身が世界でも十分通用する魅力をもっており今後の可能性を大きく感じた。



▲写真 SHABOを演奏する濱谷さん ©Ulala


その他にも人気を集めていたお店があった。埼玉県行田市の畳店「有限会社石川富男商店」のスタンド。昔ながらの天然い草を使った畳では輸出の制限がある。しかし和紙を使った新素材で変色もなく、モダンな色使いで、フランスのインタリアにもマッチした畳。色彩豊かな畳縁で作られたカードケースなどの販売も行っており、多くの人が群がっていた。


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