協会は「ド正論」に耳を貸せ 超入門サッカー観戦法 最終回
Japan In-depth / 2018年7月21日 10時28分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
「林信吾の西方見聞録」
【まとめ】
・次期監督の候補は日本人に留めるべきではない。
・ハリルホジッチ監督の任命・解任の責任の所在を明らかにすべき。
・協会は、長期スパンで日本を世界一にする意思表示とそれに基づく監督人事を行うべき。
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ワールドカップの喧噪が終わり、サッカー界をめぐる話題と言えば「次期監督」に絞られてきつつある。日本代表の、下馬評を覆す善戦によって、ハリルホジッチ(以下ハリル)前監督の解任騒動など、忘れられてしまったかのようだ。
▲写真 Vahid Halilhodzic Photo by flickr: pleclown
前稿で述べたように、今次のワールドカップで明らかになったのは、守備を固めてカウンターを仕掛ける「堅守速攻」のチームが活躍し、サッカーの新しいトレンドがはっきりしてきた、ということである。
ちなみにJリーグでも、前半15試合でわずか8失点という堅守を誇るサンフレッチェ広島が、首位を独走している(7月下旬現在)。この観点からは、ハリル前監督の「デュアル(1対1の強さ)」「縦に早いサッカー」を強調する指導は、方向性としては断じて間違っていなかった。
ただ、どのような戦術であろうと、選手が監督に信頼を寄せ、チームとして一致団結していなければ機能しないのは当然で、俺の言うとおりにやれと繰り返すだけのハリル監督に対して、主力選手が次第に離反の様相を見せ始め、強化試合でも勝てなくなったのである。
だから、私はこの解任劇そのものについては、よいことではないが仕方ない、という感想を述べてきたし、今もその考えは変わらない。一部の評論家からは、「こんな騒ぎを起こして、外国人指導者は日本代表監督など誰も引き受けなくなるのではないか」という声も聞かれたが、私は、それはないだろうと思った。
欧米の人々は契約について、日本人よりずっとシビアでかつ理解が深い。
と言うより、契約や人事にすぐ義理人情をからめるのは日本社会に特有の傾向であり、だからこそ「日本の常識は世界の非常識」などと言われたことを忘れてはならない。実際問題として、ワールドカップ本戦前の監督交代は、他国でも少数ながら例があった。
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