協会は「ド正論」に耳を貸せ 超入門サッカー観戦法 最終回
Japan In-depth / 2018年7月21日 10時28分
一方では、やはり戦術を理解させるには外国人監督では難しいのではないか、という向きもあるが、こんなものはナンセンスな議論だと私は断言する。今や代表メンバーの7割までがヨーロッパのリーグで活躍しているというのに、なにを時代遅れなことを言っているのか。
過去6度出場したワールドカップ本大会において、開催国であった2002年日韓大会(フィリップ・トルシエ監督)を別とすれば、1次リーグを突破できたのは日本人監督が率いたチームだけではないか、という議論も、日本人監督待望論の背景にあるようだ。
それを言うなら、まずはデータを見ていただきたい。
4試合1勝1分2敗、得点6、失点7
コロンビア、セネガル、ベルギーという強豪相手に2ゴールずつ挙げたのは、たしかに立派なことで、だからこそ私も「下馬評を覆す善戦」と評価はしているのだが、「10人になった相手と87分間戦って勝っただけで、11人の相手には1勝もできなかった」というのが、冷厳な事実ではないだろうか。
▲写真 Japan national football team World Cup 2018(VS Poland) Photo by Светлана Бекетова
西野監督も、こうした批判があることは承知しており、一部にあった「続投論」には応じない考えのようだが、私は別の観点から、続投はあり得ないと考えている。
ハリル体制がうまく機能しなかったとして、その任命責任と「監督に対する指導監督責任」は、あげて強化委員会にあり、委員長であった西野氏が、そのまま代表監督を引き継いだこと自体、筋が通らない話だからである。ハリル解任劇について、任命からワールドカップ本番直前での解任まで、結局誰の責任なのか明らかにしないままでは、それこそ本当に、外国人の優れた指導者に日本代表監督を依頼するのは不可能になるであろう。
また、こんな問題もある。
1次リーグ突破を決めた、ポーランド戦での「パス回し」については賛否両論であったと前に述べたが、お笑い芸人の松本人志(ダウンタウンの松ちゃん、の方が通りがよいか?)が、こんなコメントをしたと知った。
「たとえ負けても、最後まで攻めてくれた方が、それはそれで日本かっこいい、と思えた」、「あの(負けているのにパス回しという)戦術は、優勝するためだと言われたら納得だけど、この(1次)リーグを突破するためだと言われると、志はそこかい、と思ってしまう」あれほどの影響力を持つ人が、私と同意見であったことは大いにうれしく心強かったが、しかし、協会のお歴々の目には、私も彼も単なる門外漢としか映るまい。
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