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クールジャパン、販路確保が依然課題

Japan In-depth / 2018年7月21日 23時0分

そこで、SAS ENISではテーマを決めイベントを開催しバイヤーへの積極的なアプローチも行うと共に、展示する商品のテストマーケティングを行うことにも力をいれているそうだ。



▲写真 MaisonWAの店内 ©Ulala


塩川氏:「現地での需要を知るためには、やはりテストマーケティングが重要になってきます。現在2件のショウルームではテスト的に販売もしながらも、お客様の意見を聞き取り、フランスやヨーロッパのニーズはどんなものなのかを日々調査することに力を入れています。そこで得られた情報は、販売者様に毎月レポートとして送付し、フランスにあった日本の製品になるよう工夫できるように情報を提供しているのです。」


今回、話をしてくれた塩川氏は、職人気質を大事にし日本人的誠意で力になろうという気持ちがとても感じられる人物だ。塩川氏自身も、日々、実際に店舗に立つことで現地の状況を把握し、日本とつなげる努力を惜しんでないが、スタッフに対しても各商品に対して充実した商品知識を持つように指導することも忘れてない。


毎月のレポートを書くにもそれなりの労力が必要なわけだが、そういった地道なサポートの結果なのか、日本の販売者とは心地よい信頼関係が生まれており、塩川氏を訪ねる人は後を絶たない。お話を伺っていたこの日も、何度も話を中断し、次々と訪れる日本から来た販売者の方々への対応にあたっていた。


このようにきめ細かな取り組みをしてきた中で発掘されたヒット商品も存在する。その一つが、「トーヨー電子製作所」が作っている「マサノヴァアート」だ。



▲写真 マサノヴァアート ©Ulala


日本のモノづくりの原点ともいえる、工業製品部品に使用されるネジやナットと言うパーツは、精巧さゆえにそれ自体がアートとも言える。そのパーツを使い、電子機器製造業として培った精密加工技術を駆使して、ステンレスや鉄、ガラスといった素材の特徴を生かし、ハンドメイドで作られたロボットモチーフだ。


よく見ると、同じものは一つとしてない。まるで、ロボット大国であり、精密さが強みである日本そのものを表しているような商品で、職人さんの生み出すストーリ―がある。日本のカタログに載っている商品には日本のモチーフ柄が張り付けられてないが、フランスの商品にはある。これこそ現地のニーズに合わせるように改良していった結果なのかもしれない。自分が大切にしている物を人に語ることが好きなフランス人たちに人気なのもよくわかる。


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