マケイン氏の日本観を振り返る
Japan In-depth / 2018年8月29日 11時0分
「アメリカは日本が平和で安全で自由な世界のために危険をおかし、犠牲を払い、大国としての国際責任をアメリカなどと分かちあうことを心から願っています。21世紀の世界の民主主義と平和のために日本にも自らの責任分担を果たしてほしいのです」
こうした言葉は日本をあくまで日米同盟での対等なアメリカのパートナーとして、国際社会での責任ある主要な一員として、位置づけての期待の表明だったといえよう。
▲写真 ジョン・マケイン米上院議員(2014年1月8日)出典:マケイン氏Facebook
マケイン議員は2008年の大統領選挙に立ったときも、キャンペーンの早い時期から外交政策のなかでは日本の重視、日米同盟の堅持を打ち出した。外交雑誌に発表した外交政策論文では以下の諸点を述べていた。
「私は日本のグローバル・パワーとしての登場と国際的リーダーシップを歓迎し、日本の『価値観外交』を激励し、国連安保理常任理事国入りへの努力を支持する」
「アメリカの日本との同盟は現ブッシュ政権下では大幅に強化され、アジアの安定の揺るぎ難い礎石となった」
「アジア太平洋の世紀の形成で最重要な支柱は日本の民主主義推進の実績だ。日本の指導者たちがアジア全体に『自由と繁栄の弧』を広げるという構想は称賛したい。アジアの安定には日米同盟の強化がまずカギとなる」
「日本にとって北朝鮮政府による日本国民の拉致事件の解決はきわめて重要であり、アメリカも協力を惜しんではならない」
マケイン議員のこうした言明の数々は日本への前向きの姿勢や心情が明白だったといえよう。日本はアメリカ政界の貴重な理解者、協力者を失ったようである。
トップ画像:訪日時に安倍首相を表敬するジョン・マケイン上院議員(2013年8月21日 首相官邸) 出典 内閣広報室(外務省ホームページ)
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