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「ビジネス英語」という幻想

Japan In-depth / 2018年8月31日 23時0分

 


もちろん、相手を想って丁寧な表現を使おうとする心遣いは大切だ。でも、普段、我々がメールに「お世話になっております」「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」と書く時、そこにはどの程度の「想い」が込められているだろう。


 


正直、そこに心はほとんどない。単なる決まり文句としてつけられた飾りにすぎない。私は日本で働く外国人に、そんな飾りの言葉を使ってほしいとは全く思わないし、そもそも自分自身も学生の時には知らない表現だった。


 


もっとも、最近はFacebookメッセンジャーやLINEで仕事を進める時代だ。日本人の我々でさえ、こういった決まり文句は無駄だと感じる瞬間も多い。


 


たしかに、英語にもある種の敬語や決まり文句のような表現は存在する。


 


Nice to meet you.よりPleasure to meet you.の方が丁寧だし、Please check this quotation.より、Kindly check this quotation.の方が丁寧だ。だが、正直こんなのどちらでもいい。字面よりも、その時の表情や声のトーンの方が伝わり方に何倍も影響すると実感している。


 


メールの決まり文句もたしかに存在する。一般的に、問い合わせがある場合は件名をInquiryから書き出し、本文はDear ○○ Warm greetings from ~などから始め、Thank you and have a great weekend.  Best Regards, ●●などと締める。


 


ただ、これを使えなかったとして、どれほどの問題になるだろうか。もちろん、知っていて損なことはないが、知らなくても仕事はできるのだ。


 


 


■「業界用語」と「ビジネス用語」は別もの


 


 


とはいえ、実際に仕事で英語を使うことになれば、難しい単語や表現をたくさん覚えなければならないだろう。でも、おそらくそれらのほとんどはビジネス英語ではなく、「業界用語」と言えると思う。


 


「業界用語」は、英語に限らず、たとえ日本語でも、異なる業界へ転職すれば覚えなければならない言葉だ。


 


たとえば、IT業界で働いていない人は、「UI/UX」「KPI」「MAU」という言葉の意味を知らない人も多いだろう。


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