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対北融和継続で米、韓国制裁も

Japan In-depth / 2018年9月1日 18時0分

②南北鉄路である京義(キョンウィ)線年内連結工事開始の準備と して北側区間の南北共同点検



--である。



写真)開城工業団地と板門駅(写真左側の鉄塔付近にある白と赤の建物)


Photo by Steinsplitter


 


  南北共同連絡事務所は、双方の担当者が常駐し日常的に意思疎通するため、南北合わせて20~30人が勤務する予定で8月末の開所を目指していた。発電や水確保の必要があるとの理由で韓国政府は米国の承認を得ないまま、鉄鋼や石油、ボイラーなどを事務所に送ったが、米政府の一部は現在もこれを問題視している。韓国はポンペオ氏訪朝中止の当日も事務所開所を強行しようとしたが、結局、延期せざるをえなかった。


 



写真)北朝鮮へと続く京義線の線路。写真は北朝鮮に最も近い韓国側の都羅山(トラサン)駅付近


出典)flickr


 


 一方の鉄道は、北側の鉄路の検査のため、韓国の機関車と6両の客車をソウル駅から出発させ、北朝鮮・新義(シニジュ)州に運行する計画だった。京義線とは日本統治時代に韓国・ソウルと北朝鮮・新義州を結んだ鉄道だが、現在は分断されている。同じく分断されている東海(トンヘ)線とともに南北連結にしようというのが板門店宣言での合意で、文政権は年内に修復工事着工を目指している。列車を運行するには南北の軍事境界線と非武装地帯(DMZ)を通過するため、国連軍司令部の承認が必要。韓国政府は8月23日、国連軍司令部に計画を通知したが、司令部はこれを承認しなかった。


 


 理由は手続き上の不備となっているが、国連軍司令官は在韓米軍司令官であることから、米政府の不満の表れとの見方が多数だ。この列車は会議室や寝台車があり、燃料や水を積んだ豪華列車で、開城や平壌を経由する計画だった。点検のための試験運転というより、南北協力のシンボルの宣伝イベントとみられていた。国連軍司令部のブレーキに韓国左派は「主権侵害だ」(韓国の左派メディア「ハンギョレ」)などと反発している。


 


 第3回目となる南北首脳会談は、9月9日の北朝鮮建国70周年記念日のあとに行われる公算が大きい。だが米朝協議が止まっている現状で北朝鮮が具体的な非核化に言及する可能性はほとんどない。では何を議題にするのか。板門店宣言の履行促進であろうが、これも南北共同連絡事務所、南北鉄道の鉄路点検ともにストップした状態で具体的成果は出しにくい。


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