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「一帯一路」に協力すべきわけ

Japan In-depth / 2018年9月7日 12時25分

 


■ 日中の国内世論を抑制できる


 


第三の利益は中国との過度な対立を緩和できる点だ。


 


開発協力は日中間にある過度の対立を軟化させる。


 


まずは政治・経済局面での協力関係を再確認する契機となる。安全保障、軍事で対立していても経済では協力できる。そのような以前の認識に立ち戻らせる。そのような効果を日中双方に期待できる。


 


また、中央アジアでの中国包囲網の放棄を無難に伝達できる。


 


日本の中央アジア外交は失敗した。15年に安倍首相は各国を訪問し「中国の中央アジア進出に対抗する」ために3兆円の援助を約束した。森薫による『乙嫁語り』タッチのイラストを取り付けた政府専用機を飛ばした件だ。だが現実的な効果は何も産まず中国との対立だけを強調する結果に終わった。



写真)2015年、中央アジアのウズベキスタンを訪問した際に、カリモフ大統領と握手する安倍総理大臣

出典)内閣広報室、外務省HP


 


 


中央アジアでの協力はその失敗・軋轢を取り消す効果を持つ。国内外に特に何も明言せずに「中国との外交的敵対の一部を取り下げた」と示せるためだ。


 


いずれにせよ現状は無駄に中国の反発を買っている。安全保障での対立はアメリカ、オーストラリア、インド、アセアン海洋国と同様である。だが日本の対中対峙は突出して強硬である。そのため中国の反発も一手に引き受けている。


 


中央アジアでの協力はその不利から脱却する契機となる。対中対峙の水準を各国横並び、あるいは一歩下げられれば中国の矛先は変わる。うまくすれば対立を米国やインドに肩代わりさせられる。


 


もちろん日中は蜜月関係には戻らない。だが、過度な中国との対立といった無駄の緩和に寄与する効果も生む。これも一帯一路への協力のメリットである。


 


TOP画像:一帯一路国際協力サミットフォーラム 2017年5月14日


出典) President of Russia


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