マハティール氏 中国案件にNO!
Japan In-depth / 2018年9月8日 0時49分
大塚智彦(Pan Asia News 記者)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・マレーシアのマハティール首相が新都市建設構想に関し外国人の居住や不動産取得禁止の方針。
・首相自ら北京を訪問、習近平国家主席に理解を求めた。
・この方針表明は各方面で大きな波紋を呼んでいる。
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マレーシアのマハティール首相が同国南部ジョホール州のシンガポールとの国境に近い地区で進む新都市建設構想に関連して、建設地への外国人の居住や居住地の不動産を外国人が取得することを禁止する方針を示し、大きな波紋を広げている。
マハティール首相は5月の就任以来、ナジブ前政権が推進した各種巨大プロジェクトの見直しを進めており、特に中国関連企業が関与するプロジェクトはすでに着工済みであっても中断を決めるなど厳しい姿勢で臨んでいる。背景には前政権の親中政策、中国への過度の依存がマレーシア国内経済への悪影響を与えていることや中国が自国利益優先で進めている「一帯一路」構想への反発があるのは確実で、表立って反発、非難できない中国政府を「切歯扼腕」させているのは間違いない。
▲写真 2013年、前首相ナジブ氏(当時首相)と握手をする安倍首相 出典:首相官邸
ジョホール州の州都ジョホールバルの西、シンガポールの国境から約2キロの海岸部分では現在埋め立て工事と同時に高層ビルなどのインフラ整備が急ピッチで進められている。同地区は大規模な海上新都市「フォレスト・シティー」の建設予定地で、4つの人口島に総面積1400ヘクタールの都市を建設し、70万人の人口を擁する総合開発計画で、すでに1つの島がほぼ埋め立てを終え、建設が進んでいる。投資総額は1000億ドルとされ、全ての完成は2035年を見込んでいるという。
「フォレスト・シティー」はジョホールバル一帯をマレーシアの経済特区とする「イスカンダール・プロジェクト」という人口170万人を目指す大規模開発の一環として位置付けられ、ナジブ前政権が強力に進めたもので、中国のデベロッパー「カントリー・ガーデン・ホールディングス社(碧桂園控股)」が事業主体となっている。
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