候補者討論会・翁長県政の実績巡る発言は正確だった? その1
Japan In-depth / 2018年9月19日 11時49分
楊井人文(FIJ事務局長・日本報道検証機構代表・弁護士)
【まとめ】
・9月11日に佐喜真氏と玉城氏は県政記者クラブ主催の討論会に参加。
・玉城氏、翁長県政時代の経済面の実績を強調→おおむね正確
・佐喜真氏、翁長県政の経済実績が仲井真県政時代から継続している観光政策によると発言→正確
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沖縄県の翁長雄志前知事の死去に伴う知事選が9月13日に告示され、30日に投開票が行われる。自民・公明・維新などが支援する佐喜真淳・前宜野湾市長と翁長県政を引き継ぐ立場を表明した玉城デニー・前衆議院議員を含む4人が立候補したが、事実上この2人の一騎打ちとみられている。
写真)佐喜真淳・前宜野湾市長
出典)佐喜真淳氏Twitter
写真)玉城デニー・前衆議院議員
出典)玉城デニー氏Twitter
周知のとおり、沖縄をめぐっては基地問題を中心に対立が激しい。選挙になると誤情報が飛び交う可能性も高まる。今回の選挙は全国的にも関心が高く、すでにネット上でも様々な未確認情報が流れている。こうした時こそファクトチェック(真偽検証)を行う必要がある。
だが、選挙である以上、まずは、候補者の発言が事実に基づいているかどうかを検証することも必要だろう。告示直前の9月11日に、佐喜真氏と玉城氏は県政記者クラブ主催の討論会に参加し、沖縄経済や基地問題をめぐって論戦を交わした。そこで、この討論会のうち争点に関わる重要な発言をピックアップして検証することにした。
1回目は、沖縄経済に関する現状認識について。討論会で、玉城氏は翁長県政時代の経済面の実績を強調したが、佐喜真氏は部分的に反論していた。それぞれの発言が事実に基づいていたかどうか検証を行った(JIDのファクトチェック方針は後掲)。
写真)那覇市久茂地交差点で毎年開催される大綱引きというお祭り
本州や外国からも多数の観光客が訪れる
出典)那覇市役所Facebook 2017年10月8日
【検証対象①】
言説内容
(玉城氏)翁長県政は仲井真県政時代と比べて入域観光客数は592万人から958万人、1.6倍、観光収入も3997億円から6603億円へと1.7倍、クルーズ船の実績も125回から515回へと4.1倍、大きく発展させています。
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