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海自潜水艦は海南島中国戦略原潜を狙う

Japan In-depth / 2018年10月2日 9時30分

海自潜水艦は海南島中国戦略原潜を狙う


文谷数重(軍事専門誌ライター)


【まとめ】


・「海自潜水艦、南シナ海で極秘訓練を実施 中国を牽制」との朝日報道あり。


・本当の目標は中国海軍力の分散消耗。


・「日本が戦略原潜を狙っている」だけで中国は海空防衛戦力を割かざるを得なくなる。


 


【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記載されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=42290で記事をお読みください。】


 


南シナ海における潜水艦の活動が明らかにされた。9月17日早朝の朝日新聞デジタル記事(編集委員・土居貴輝)「海自潜水艦、南シナ海で極秘訓練を実施 中国を牽制」は次のように伝えている。


防衛省が海上自衛隊の潜水艦を南シナ海へ極秘派遣し、東南アジア周辺を長期航海中の護衛艦の部隊と合流させて、13日に対潜水艦戦を想定した訓練を実施した[中略]複数の政府関係者が明らかにした。


ただ、その目的は欺瞞されている。記事は「公海の『航行の自由』を強くアピール」(土井)するためとしている。しかし潜水艦は探知を避けて行動する。その点では効果は見込めない。意図的なリークに基づく記事である。本当の目的を誤魔化したものだ。


本当の目的は何か?


中国海軍力の分散消耗である。潜水艦投入により日本方面、東シナ海や太平洋に向けられる中国海軍力を減らす。それが目的である。


 


■ 海南島アプローチ


日本潜水艦は海南島の中国戦略原潜に向けられる。三亜を基地とする核ミサイル搭載潜水艦だ。平時戦時を問わず日本は戦略原潜に脅威を与える。それにより中国海軍力の分散を強要しようとしている。


中国にとって戦略原潜は最優先保護の対象である。中国は米国とロシア、最近ではインドとの核抑止を意図している。各国の先制核攻撃を防ぐため高額な報復戦力の整備にいまなお努力している。それが高額な核兵器と弾道弾であり専用の搭載潜水艦である。つまり戦略原潜は国家安全保障の水準で最重要戦力であり最優先保護の対象だ。


その行動海面に日本潜水艦を送り込めばどうなるだろうか?


中国海軍は対潜戦を強要される。海南島周辺に艦隊を集中する。それで自国の戦略原潜を護衛し同時に日本潜水艦の排除に力を注ぐ。平時戦時を問わずそうせざるを得なくなる。結果、日本正面に向けられる海軍力は減る。尖閣諸島、先島諸島、太平洋に投入される艦隊戦力は減少する。


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