「肉屋襲撃」で揺れる仏 ヴィーガン一部過激化?
Japan In-depth / 2018年10月10日 11時0分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・仏で肉屋襲撃事件相次ぎヴィーガンに対し市民の不信感高まる。
・ベジタリアンと異なるヴィーガン。背景に「反種差別」思想。
・暴力・破壊行為は許されず、望まれるのは平和な共存。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=42411で記事をお読みください。】
2018年10月13、14日に、パリではフランス最大のヴィーガンサロンであるヴィーガンワールドが開催されます。このヴィーガン(完全菜食主義者)のパラダイスには150の店舗が出店し、1000を超えるヴィーガン向けの食品が集まるため、菜食主義者向けの料理の人気が急増している中、今年も7000人以上の来館者が期待されています。
しかし、その一方で、フランスではヴィーガンによるとみられる肉屋の襲撃事件、食肉解体場の放火事件などが相次ぎ、ヴィーガンに対する一般市民の不信感も高まっています。
フランスでは今年に入り、肉屋が襲われる事件が頻発しました。肉屋の業界団体は被害件数は、過去半年間で肉屋、魚屋やチーズ店の100店以上が標的になったと主張しており、これらの犯行は、書き残されたメッセージから、あらゆる動物性食品を避けたヴィーガンによる犯行との疑いが出ています。
また、9月にはフランス東部農村地帯の食肉解体場の放火も発生し、工場で働く80人の従業員が現在失業状態に陥ることとなり、今後もこのような内戦のような状態が継続し、生活が脅かされるのではないかと、一般市民も不安を募らせています。
こういったニュースを受けて、「菜食主義者」に対して偏見めいた声も聞こえるようになってきましたが、しかしながらいずれの事件も、現時点では実行犯の特定はされておらず憶測の段階とも言え、また、肉食に対する攻撃であっても、単純に「菜食主義者」に偏見の目を向けるのは少し短絡的すぎるかもしれません。というのも、一言「菜食主義者」と言っても、その形態はさまざまであるからです。
■ 菜食主義と言っても実は違うベジタリアンとヴィーガン
菜食主義と言いますと、いわゆる「ベジタリアン」と呼ばれている人々であり、健康志向、宗教などのために、野菜や穀物しか食べないという認識が日本では一般的ではないでしょうか。しかし、そのベジタリアンにも実はいろいろな形態があります。肉は食べないが卵は食べる人もいますし、乳製品は食べる人もいます。そしてもちろん肉も卵も乳製品も食べない100%ベジタリアンもおり、そういった人々はピュア・ベジタリアン(純菜食主義者)と呼ばれています。
この記事に関連するニュース
-
中国・蘇州で起きた日本人母子襲撃事件は本当に偶発か?
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月7日 0時26分
-
ロサンゼルスのギャング抗争は、警察側も非道なプロファイリング、銃撃・投獄を行っていた
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月4日 18時45分
-
二正面作戦を戦うロシアの苦境
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月4日 11時0分
-
「戦争ってカッコいい」「戦争って泣ける」と称賛してしまう“困ったちゃん”…人類の無意識にある“加害者性”を提示したイタリア未来派のマリネッティによる11条文
集英社オンライン / 2024年6月17日 18時0分
-
デンマーク首相が路上で殴られる...「気に入らない政治家」への襲撃が相次ぐ欧州で何が起きている?
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月8日 17時46分
ランキング
-
1大手回転寿司チェーンが抱える“ジレンマ”。「ひと皿100円均一」からの脱却も、“強みを失う”結果に
日刊SPA! / 2024年7月7日 8時53分
-
2日本が「4年連続1位→38位」に転落した国際的指標 韓国は20位、アジアで日本より下位は3カ国のみ
東洋経済オンライン / 2024年7月7日 11時0分
-
3小池氏が都知事3選=石丸、蓮舫氏ら破る―保育無償「制度設計を推進」
時事通信 / 2024年7月7日 23時47分
-
4都知事選で350人に投票所整理券発送忘れ 職員が各戸配布 多摩市
毎日新聞 / 2024年7月7日 14時47分
-
5県営住宅住まいの51歳男「全部燃やして京アニ事件みたいにしてやろう」…自室放火容疑で逮捕
読売新聞 / 2024年7月7日 10時43分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)