文在寅大統領は北朝鮮の「特使」?
Japan In-depth / 2018年10月23日 18時36分
朴斗鎮(コリア国際研究所所長)
【まとめ】
・各国歴訪の文在寅大統領の言動はまるで金正恩氏の「代弁者」。
・文大統領の対北制裁緩和工作は失敗。各国首脳はCVIDを主張。
・ローマ教皇の訪朝を促す文大統領。韓国内信者が反発、告発も。
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9月の国連総会に参加した韓国の文在寅大統領は、米シンクタンクの外交問題評議会(CFR)で聴衆に対し、「テレビで見ただろうが、私の経験から言えば、金正恩氏は若く極めて率直で礼儀正しく、年長者には敬意を持って接している」と指摘。「金正恩氏は誠実で、経済発展のために核兵器を放棄すると私は信じている」と述べた。この発言に対して米国のブルームバーグ通信は、「韓国の文在寅大統領、金正恩氏の事実上の代弁者に」(2018年9月26日)と報道した。
こうした厳しい報道にもかかわらず、10月13日から始まった7泊9日のヨーロッパ歴訪では「代弁者」から「特使」?に“昇格”したような動きを示した。
10月15日のマクロン仏大統領との会談を前にして、文大統領は仏フィガロ紙の取材に応じ(14日)、再び「今年、金委員長と数時間にわたって綿密な協議をした。これらの会談を経て私は、委員長が核兵器の廃棄に向け戦略的な決断をしたことを確信した」と述べ、 金正恩に対して「誠実で冷静、礼儀正しい」と評し、「国際社会が依然として疑念を持っていることに不満を感じている」と主張した。
そして「困難の末に合意にこぎ着けたこれらの努力へ報いるべき時が来た」と述べ、「金委員長に非核化は正しい決断だったと保証する必要がある。永続的かつ確かなペースで、委員長の希望に沿う必要がある」と語った(ロイター2018/10/15)。
■ 文大統領の対北制裁緩和工作は失敗
しかし、ヨーロッパでの「北朝鮮特使」的活動はことごとく失敗したようだ。マクロン大統領は10月15日、文大統領との共同記者会見で、「北朝鮮が核廃棄プロセス開始の意思を明確に示す」までは、国連安全保障理事会の制裁を維持すべきだと強調し、文大統領の考えに同意しなかった。マクロン氏は「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」が必要だと訴え、現段階では融和措置をとるべきでないとの立場を示した。(産経新聞2018/10/16)。韓仏首脳会談後の共同宣言の冒頭には「韓半島(朝鮮半島)非核化はCVID(完全かつ検証可能で不可逆的破棄)方式で進めねばならない」との文言が入った。
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