中国製戦闘機を買うメリットとは
Japan In-depth / 2018年11月16日 0時0分
文谷数重(軍事専門誌ライター)
【まとめ】
・空自が検討している新戦闘機案は性能、納期、価格の問題を抱える。
・F-35増勢を選択しても高価格により数は揃わない。戦闘機数は減少し対中軍事力比率は悪化。
・JF-17(中巴共同開発)のような低価格機を併用すべきである。
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空自の新戦闘機選定が迷走している。F-2、F-15後継機選定について国産開発、共同開発か、導入中にあるF-35への置き換えのいずれにも決めかねている。
だが、どれを選択しても戦闘機戦力は縮減する。鉄板なF-35を選んでも価格から調達数は確保できない。戦闘機戦力は350機から200機に減る。当然ながら戦闘機数での対中戦力比も大幅悪化する。
では、どうすればよいか?
安価な戦闘機を併用導入すべきである。例えば中国製JF-17だ。それをF-35と並行して導入し使い分けることだ。
▲図 併用比率と整備数
■ 新戦闘機はいずれも穴がある
新戦闘機案はいずれも穴がある。これは性能、納期、価格でみれば理解しやすい。
純国産開発は最悪だ。性能、納期、価格と全てが不出来となる。これは先例が示すとおりだ。例えばF-2戦闘機はコピー元のF-16と同性能ながら納期は遅延、価格は倍以上になった。偵察ヘリOH-1や輸送機C-2でも失態を繰り返した。
共同開発もあまり改善しない。海外企業と組むため性能は満たせる。だが納期と価格は解決しない。航空機開発は遅延と価格上昇は常識だ。
F-35増勢は現実的だが価格問題を解決し得ない。日本における調達単価は概ね150億円前後である。これはF-2、F-15の1.5倍だ。
▲写真 F-35。新戦闘機としてはF-35増勢が一番まともな選択肢である。最もリスクは少なく見積もりの2倍3倍する開発費用を積む必要はない。 出典:米空軍写真(撮影:Mark C. Olsen)(public daomain)
■ 対中バランスが悪化する
価格はどうしても解決し難い。そういうことだ。
結果、何が起きるか?
戦闘機戦力が急縮減する。現状はF-4、F-15、F-2合計で約350機である。日本はその調達に累計3.1兆円を投入した。だがF-35はいずれの機体よりも高い。同一予算規模では200機しか買えない。
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