ASEANでスー・チー氏四面楚歌
Japan In-depth / 2018年11月18日 11時0分
▲写真 予防接種を子供に受けさせるロヒンギャ難民(2018年1月17日 )バングラデシュのクタパロン難民キャンプ 出典:DFID - UK Department for International Development(Photo by RusseRussell Watkins)
■ 米副大統領は「理由のない暴力」と指摘
11月14日にスー・チー顧問との首脳会談に臨んだマイク・ペンス米副大統領はロヒンギャ問題に触れて「理由のない暴力であり、迫害である。加害者に対する責任追及に関して進展があることを望む」と、米政府の姿勢を伝えた。会談に臨んだスー・チー顧問は愛想笑いをわずかに浮かべただけで、終始硬い表情を崩すことはなかった。
ペンス副大統領の指摘に対して、スー・チー顧問は「人はそれぞれ異なった意見を持つが、大事なことはその異なった意見を交換して、相互に理解しようとすることだ」「ミャンマーのことは他のどの国より私たちが熟知している。それは米国のことに関し、ペンス副大統領が誰よりよく知っていることと同じである」などと一般論のきれいごとで返答しただけで、米側や報道陣を落胆させた。
スー・チー顧問はASEANの会議では「国際社会の(ロヒンギャ問題への)懸念は分かっている。ミャンマーは問題の解決に取り組んでいる」と説明して理解を求めた。
▲写真 ペンス米副大統領と会談するスー・チー氏(2018年11月14日 シンガポール)出典:Myanma State Counsellor Office Homepage
■ ロヒンギャ族の帰還計画つまずく
スー・チー顧問がシンガポールで繰り返した「問題の解決に取り組んでいる」とは、ロヒンギャ族の約70万人が難民となって逃れた隣国バングラデシュ政府とミャンマー政府の間で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の仲介で進む「帰還事業」が11月15日から本格化することが念頭にあったのは間違いない。
しかし、この帰還事業の第一歩が頓挫してしまった。最初の帰還を予定していた30家族、150人のロヒンギャ難民がミャンマーへの帰還を拒否してしまったためだ。
難民からは「ミャンマーに帰っても安全が保障されている訳ではない」「市民権も得られない状態では戻りたくない」との声が出ており、UNHCRによる一日150人という帰還計画はスタートから問題に直面してしまった。
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