「シャブ山シャブ子騒動」思考停止のメディア
Japan In-depth / 2018年11月24日 17時7分
しかも結論は相も変わらず「『シャブ山シャブ子』問題に注目が集まったこの機会に、改めて覚醒剤の危険性に目を向けるべきだろう。」というものであった。この記事を書いた人は、おそらく自分の頭で考えることをやめ、時代の進化に目を向ける事なく、昭和のままの価値観で止まっていると思われる。仮にもマスコミに関わる人間が、このようにありふれた結論を導き出す事に疑問を感じないのであろうか?まるで、小中学校で地域の警察官が行うおざなりな薬物乱用防止教室のようである。いや警察官ならまだ「それしか言いようがない」という立場も分かる。しかし仮にもマスコミの人間が、十年一日同じことを言い続けて、全く事態が好転していない現実に疑問を抱かないのであろうか?と不思議でならない。
実際は、デイリー新潮が言っていることの真逆で、日本の薬物政策の大問題は、薬物の恐ろしさばかりに焦点があてられ、対策が単なる「脅し」と「見せしめ」「懲らしめ」しかなく、「回復」といった観点が全く示されてこなかったことにある。
▲写真 【東京税関】日本人男性による覚醒剤密輸事件を摘発(平成30年11月2日発表)覚醒剤 約2.355グラムをスーツケース両側面部に隠匿し密輸入しようとしたが税関検査において発見・摘発されたものである。 出典:財務省関税局税関
■ 日本の薬物政策の問題点
ここまで数々の問題点をあげてきたが、なんといっても最大の問題点は、「華やかな有名スポーツ選手や芸能人であっても薬物の依存症が抜けなければ、同じ運命をたどる。メディアへの登場を許されず、事実上の失職に追い込まれ、配偶者から離婚を迫られ、子供からも遠ざけられる。すなわち家族を失い、無職となり、孤独死やのたれ死にを宿命づけられる。依存症から完全治癒し、何カ月か、何年か後、現実社会に復帰を許されるのはごく少数である。」という日本の闇について触れた部分である。
海外では、薬物事犯であってもリハビリ治療を受け、いくらでも社会復帰を果たしていることを多くの日本人がご存じであろう。ロバウトダウニーJr.やコリンファレル、エミネムなどスーパースターが薬物依存を克服したと告白し、欧米諸国、そして日本人までもがそのことを好意的に受け止めている。しかし何故か日本人は日本人に厳しく、一度でもレールを外れた人間を徹底的に叩き、海外セレブの薬物依存症者は許せても、日本の有名人の社会復帰は許せず、運よく復帰できたとしても、彼らがその経験を語る事はタブーとされるのである。
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