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「私は私」アスリートの国籍について スポーツの秋雑感 その5

Japan In-depth / 2018年11月25日 7時0分

「私は私」アスリートの国籍について スポーツの秋雑感 その5


林信吾(作家・ジャーナリスト)


林信吾の「西方見聞録」


【まとめ】


・スポーツ界で近年、ハーフのアスリートの活躍が目立つ。


・問題は彼らを同胞と認める人、認めようとしない人がいること。


・人種国籍問わず「私は私」と言える社会に向け、ハーフ選手に期待。


 


【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=42961でお読みください。】


 


サッカーの新生日本代表、なかなか頑張っている。なんと言っても、堂安律、中島翔哉という、私がかねてから「早くA代表に呼べ」と言っていた若手が、期待以上のパフォーマンスを見せてくれている。



▲写真 堂安律選手 出典:@FCGroningen JP


守備面でも、20歳の富安健洋が台頭して、11月16日の対ベネズエラ戦では、ベテランの吉田麻也とコンビを組んで最終ラインを守り、なかなかよい仕事をしていた。彼は中学生時代から注目された選手で、高校時代すでにアビスパ福岡とプロ契約。19歳でベルギーのシント=トロイデンに移籍と、輝かしいキャリアを持っている。


そして、この試合で代表デビューしたゴールキーパーがいた。その名をシュミット・ダニエル(本名・矢吹ダニエル勇二)。米国イリノイ州の生まれだが、日本人の母を持ち、2歳の時から仙台で育っている。前述の富安選手とは少し違い、高校卒業時点で地元のベガルタ仙台から誘われたものの、「プロで活躍するには、まだ力不足」と考え、中央大学に進学した。大学選抜にも名を連ねたが、レギュラーの座を掴んだのは、ようやく4年生になってからであった。



▲写真 シュミット・ダニエル 出典:ベガルタ仙台


卒業後あらためてベガルタに入団してからも、正キーパーに定着するまでは時間がかかり、代表デビューも26歳という「遅咲き」だが、197センチという長身に加えてキックの精度にも定評があり、今後が楽しみな選手である。


近年こうした、ハーフの選手の活躍が目立つ。たとえばテニス界では、日本女子として初めて全米オープンを制した大坂なおみ選手。彼女はすでに有名だが、ハイチ系米国人を父に持ち、また大阪市生まれながら(大坂姓は母方のもので、地名とは関係ない)、4歳で米国に移住したため、日本語は片言である。


陸上界でも、リオデジャネイロ五輪で男子400メートル・リレーのアンカーとして銀メダルを獲得したケンブリッジ飛鳥選手がいる。彼の父親はジャマイカ人で、本人はジャマイカ生まれの大阪育ち。「母国」ジャマイカの英雄で、世界最速と称されるウサイン・ボルト選手と並んで走る夢(本人の弁)を、五輪の決勝という最高の舞台でかなえることができた。さすがにボルト選手にはぶっちぎられたが、米国とカナダの選手を後ろに引き連れてゴールに飛び込んだ姿は、今も鮮明に覚えている。


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