搭乗拒否!インドネシア機ドリアン騒動
Japan In-depth / 2018年11月27日 7時0分
大塚智彦(Pan Asia News 記者)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・航空機内「異臭」で乗客が降機する事件も。犯人はドリアン。
・全公共施設で持ち込み禁止のドリアン。運搬は自家用車原則。
・虜になるか絶縁するか。ドリアン初体験は地元民に聞け。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=43013でお読みください。】
インドネシアのスマトラ島ブンクル州のブンクル空港からジャワ島の首都ジャカルタに向かおうとしていたスリウィジャヤ航空機SJ091便で異変が起きたのは11月5日のことだった。タラップを上って航空機内に入った乗客の一部が思わず鼻を動かし、客室(キャビン)内に蔓延した「異臭」に気が付いた。
「これはドリアンの臭いではないか」乗客の一部が客室乗務員(CA)に詰め寄ると、CAは否定もせずキャビンの下部、荷物室にあるドリアンの臭いであることを認めた。そして「離陸して上空に上がれば臭いはしなくなります」「コーヒーの粉末やパンダンの木の葉など消臭効果のあるものを積んであるので大丈夫です」と言い訳に終始した。
納得しない乗客の一部が「この飛行機に乗りたい人はいますか」と他の乗客に尋ねたところ大半が「No」となり、ぞろぞろとタラップを降りて地上に出てしまう事態となった。
事態を重視した航空会社は荷物室からドリアンを下ろすことに決め、係官が運び出したが、なんと2025キログラム、約2トンものドリアンが積載されていた。その一部始終は乗客の一人が動画を撮影し、インターネットにアップしたため、インドネシアではたちまち全国ニュースとなってしまった。
同航空では「ドリアンは積載禁止の指定物でもなく、危険物でもないので規則通りに積んだだけ。乗客の希望と安全航行のために今回は下ろしたが、今後はドリアンの輸送に関する何らかのルールが必要になるだろう」と話している。同機は離陸予定を1時間過ぎて出発、無事に目的地に到着した。
■ 果物の王様として人気は抜群だが・・・
ドリアンは東南アジアを代表する果物で「果物の王様」と称される。ドリアンの「ドリ」はマレーシア語で「トゲ」を意味するように果実は固く鋭いトゲで覆われ、取り扱いは要注意である。ドリアンがなっている木から実が落下してきて、下にいた人が負傷するという事件もかつてはあったという。
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