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陸自のAH-Xを分析する その2

Japan In-depth / 2018年12月1日 12時0分

「既存のAH-64DをE型にコンバートし、更にもう一個飛行隊を輸入調達し、合計30機ほどで2個飛行隊を編成するのがリーズナブルだ」と、ある内局高官は語る。既存機であるAH-64Dのコンバートは1機あたり30億円、新造が50億円程度だとされている。ただAH-64D同様にスバルがライセンス生産するならばコストは跳ね上がるので、輸入が現実的だろう。


陸自のネットワーク化には大きな障害が横たわっている。これも問題だ。野戦通信の基幹である野外通信システムの野戦用無線機、広帯域多目的無線機が極めて性能が悪いことだ。広帯域多目的無線機はNECが開発したソフトウエア無線機で、HF・VHF・UHFの周波数帯域で使用可能だが、数十メートルの短距離でも通じないことが珍しくない。その要因は総務省から割り当てられている電波が軍用野戦無線に適した周波数帯に適していないからだといわれている。陸自は相当な金額をつぎ込んで改良しているが成功していないようだ。


東日本大震災では陸自の無線が通じないことが多く、問題となったがその後も周波数帯が見直されることもなく、2013年から広帯域多目的無線機の配備が始まった。部隊では広帯域多目的無線機を使わず、旧型無線機を使っている所も多い。



▲写真 野外通信システム 中継ノード装置JWYC-R1 出典:Wikipedia


陸自の野戦ネットワークの中核となる当システムに不具合があるままでは、仮にネットワーク化を進めたとしても機能しないことが予想される。AH-Xの仕様決定前に広帯域多目的無線機の機能改善あるいは、機種変更の検討が必要だろう。


これらの要素を鑑みて、どのような任務や作戦を想定し、そのために必要とあらば攻撃ヘリ、武装ヘリ、COIN機、無人機などを、組み合わせて費用対効果の高いポートフォリオを決定すべきだ。


(了。全2回。その1はこちら)


トップ画像:離陸しようとする2機のAH-64D 出典:陸上自衛隊HPより引用


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