仏、留学生受け入れ拡大戦略
Japan In-depth / 2018年12月3日 10時18分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・仏が外国人留学生増大計画発表。自国に理解ある人材拡散に期待。
・裕福な留学生の学費を増やし、学費免除や奨学金拡充で門戸拡大。
・日本と世界を繋ぐ人材育成に日本も危機感持ち注力する必要あり。
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フランスで、エドゥアール・フィリップ首相により、高等教育への外国人留学生数を2027年までに現在の約32万人から50万人へ大幅に増加させる計画が発表されました。フランスにくる外国人留学生数は2011年から2016年の間に8.5%減少し、その結果、世界のランキングが3位から4位へ転落しています。そこでこれ以上の後退をなんとか避けるための積極的な改革である「ようこそフランスへ」と名付けた戦略をうちだし、「国際競争の勝利」を呼びかけたのです。フランスへの留学生を積極的に呼び込む目的は、海外の優秀な人材を引きつけ、フランスに関連ある人材を増やすことに他なりません。
▲写真 エドゥアール・フィリップ首相 出典:エドゥアール・フィリップ首相facebook
多くの外国人留学生がフランスで学び、フランスの事を知ることは、その後帰国した彼らがフランスの「大使」の役割を果たす上、フランスを媒介したネットワークを産むことにつながります。また、フランスをはじめとする欧米では、特にコネクションが重要な役割を果たしており、何かあった時に情報を聞けたり、発信してくれる存在は非常に重要で、複数国とつながっていることは多くのことで有利に働きます。そのためにもフランスは長年、多くの留学生を受け入れ、世界にフランスを理解している人物を増やし、ネットワークが広がることに努力し続けてきました。
2013年には、フランスにおける教育はフランス語でなければいけないとする規定を緩和するフィオラゾ法を通し、より多くの留学生がフランスに来やすくなるようにフランス国内でも英語で授業を受けられる環境も整えました。特にグランドゼコールでは1300の英語のコースが開設されました。
今回の改革では、海外でのフランスのキャンパスの開設やビザ取得の容易化、英語の使用コースをさらに増加させる予定とし、大学の質の向上、留学生のための奨学金および免除プログラムを強化することも計画。その財源としてEU外からの外国人の学費負担は増やすとしています。
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